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Interview

ザ・クロマニヨンズ “良い”より“好き”なレコードを!とことんパッケージにこだわった新作完成

ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズの新作『MONDO ROCCIA』が完成。10月28日(水)にリリースされる。全12曲35分モノラル録音。まるでアナログ盤のようなたたずまいのようなアルバムに仕上がった。甲本ヒロトと真島昌利が停滞する音楽シーンに投じた革命的な一石とは?

Text●森内 淳(M.O.G.) Photo●かくたみほ

「今回は良いじゃなくて、好きなレコード作ろうっていう」

――ものすごくシンプルでポップな作品ができました。

甲本「そう言っていただけると、嬉しいです」

――シンプルな構成にしようっていうのは最初から意識してた?

甲本「そんなに意識はしてないんだけどな」

真島「うん。普通にやったよ」

甲本「ただ、今回は、パッケージにこだわった」

――35分・12曲っていうパッケージ?

甲本「パッケージにこだわるとさ、入りきらないんだよ。そんな長い作品は」

――それは自分の発想?

甲本「それはさ、僕らの日々の生活の大半を占めるレコード鑑賞という時間がありますので。今日も聴いてたし、これからも、この後、家に帰って聴くわけだ。そんなものが作りたかったの。それはCDじゃないじゃん。レコードでしょ。アナログしか聴いてないわけだ。で、あれ? と思ったんだよね。なんで、これしか聴いてないのに、これ作んないんだろう?って。ラーメンばっかり食ってるのに、なんでうどん屋をやってんだろう? ラーメン作りゃいいじゃん、みたいな」

――じゃ今回はCDを作るのではなくて、最初からアナログ盤を作ろうとしたんだ!? それ、何か凄いね。

甲本「CDがあって、それのアナログも出るっていうのと、アナログを作ってCD化っていうのは違うよね」

――全然、違う。だから、今回の作品は、パッケージにこだわったっていうよりも、自分たちのやりたいことにこだわったんだよね。

甲本「それだけだよ。そのきっかけがパッケージなんだよ。これが好きって」

――3分のロックンロールを12曲集めて入れたレコードが一番かっこいいっていう、自分たちの音楽に対する思いに正直に作ったという。

甲本「普通だと思うけどな」

――先にマーケティングのことを考えるようなご時世だからね。なかなかこういうふうにはいかないわけだよ。

甲本「わーお。なるほどね」

――でもやるべきなんだよね。もうマーケティングとか言ってる場合じゃない。だから面白い作品が世に出ないわけでね。そういう意味じゃ画期的だよ。

甲本「あ、そうなんだ。呆れるかと思ったら」

――ちっとも呆れてない。

甲本「だからさ、何が良いかなんてわかんないじゃん。良いレコード作ろうっていう、いつも思わないけどさ。今回は良いじゃなくて、好きなレコード作ろうっていう」

――めちゃくちゃ正しいね。

甲本「ひじょうに気持ちはよかったね」

――だからその気持ちよさがちゃんとサウンドに出てるんだよね。サウンドは激しいんだけどポップだよね。

甲本「そうか」

――アルバム・ジャケットにも、その気持ちが宿ってる(笑)。

甲本「(アナログ盤のジャケット見本を手にとって)ほら、裏返した時の、この “のりしろ”のさ、これこれ。表面コーティング、裏はザラ紙。表面、本当はもっとコーティングすんの」

真島「ほら、これだけでも、もう買うでしょ、普通」

甲本「普通ね。買っちゃうね。横からこう背が立ってたりしたら、もう買っちゃうね。レコードを入れる紙袋にもこだわったよ。ちゃんと良いのが付きますから。今回のビートルズのモノ・ボックスを買った人なんかは、わかってくれるよ」

――ビートルズのモノ・ボックス用のアルバム・ジャケットの中にはCDを入れる紙袋が入っているんだよね。当時のアナログ盤を忠実に再現してあるんだよね。あれはよかった。

甲本「わかるでしょ?」

――あれはたまんなかった。

真島「あれ、たまんないね」

甲本「要りもしねぇのに、入ってんじゃん、紙が」

――本当は必要ないよね、あの紙袋。

甲本「でもあれ、要るでしょ?」

――あれ、要るんだよね。

甲本「あれの原寸大が入ってます」

――それはたまんないね。

甲本「良かった、喜んでくれて。仲間がいたよ」

――でも仲間少ないよ。どうする?

甲本「そう。その仲間が少ないってことを考えるとね、マーケティングはなっちゃいない」

――なっちゃいないね。どうするの?

甲本「でも、これが良いじゃなくて、好きなんだよ」

――そこ重要。

真島「世間に対して開いてないっていうね。閉じてるっていう」

――自分の創造性に開いてるからいいんだよ。

甲本「そうかもしんない」

真島「ナイス」

甲本「ナイスだね」

――じゃライブも全開だ。

甲本「いつだって全開だもん、ライブ。もっと頑張れって言われたら、えっ?て思うもん」

――今回も長いんだよね、ツアーね。

真島「だって楽しいじゃん。バンドって演奏するために組むんだからさ」

――今回も細かくまわるんだよね。

甲本「まぁ細かくって言ったらいろいろになっちゃうけど」

――このインタビューね、ぴあのウェブサイトに載るんだよ。

甲本「あ、あ、そういうことか」

真島「もうね、細かくまわるんですよ」

甲本「しっかりチェックしてください」

真島「君の街にも行くよ!」

甲本「練習しようっと。しっかり練習しときます」

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PROFILE

ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズ
写真左から小林勝(b/nil)、甲本ヒロト(vo)、桐田勝治(ds/Gargoyle)、真島昌利(g)。2006年7月23日のライブ・イベントにてザ・クロマニヨンズ初登場。同年9月にシングル『タリホー』でデビュー。以降、精力的な全国ツアー&リリースを経て、今年10月28日(水)に4枚目となるニュー・アルバム『MONDO ROCCIA』をリリースする。
ザ・クロマニヨンズ公式サイト
Ariola Japan公式サイト

INFORMATION

  • ★11月11日(水)SHIBUYA-AXを皮切りに全国ツアー「MONDO ROCCIA '09-'10」スタート。
  • チケット情報

  • ★下記5公演の先行抽選販売「プレリザーブ」を実施します!
  • ●2010年2月2日(火)東京:渋谷C.C.Lemonホール
    ●2010年2月7日(日)栃木:栃木県教育会館
    ●2010年2月9日(火)千葉:千葉市民会館 大ホール
    ●2010年2月17日(水)埼玉:さいたま市民会館おおみや 大ホール
    ●2010年2月19日(金)群馬:高崎市文化会館
  • 申込受付期間:2009年10月24日(土) 11:00から10月28日(水) 11:00まで
    チケット情報

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SINGLE

シングル『グリセリン・クイーン』

『グリセリン・クイーン』
発売中
1575円(7インチアナログ盤)/BVKL-1
1575円(初回生産限定盤CD)/BVCL-36/37
1223円(通常盤CD)/BVCL-38
Ariola Japan

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ALBUM

アルバム『MONDO ROCCIA』

『MONDO ROCCIA』
10月28日(水)リリース
3059円(30cmLPアナログ盤)/BVJL-1
3675円(初回生産限定盤)/BVCL-20013/20014
3059円(通常盤)/BVCL-42
Ariora JAPAN

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