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Interview

金子ノブアキ バンド、ソロ、俳優・・・表現者として多面性を持つ彼の魅力に迫る

金子ノブアキ

金子ノブアキ。RIZE、AA=でドラマーとして活躍する中、7月には1stソロワーク・アルバム『オルカ』をリリース、ミュージシャンとしてワンアンドオンリーのポジションを確立する存在だ。また、俳優として、今春の話題作となった映画『クローズZEROII』やこの夏の高視聴率をマークしたドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」に出演。表現者として多面性を持つ金子ノブアキに、ミュージシャンとして俳優として、そして今後の活動について語ってもらった。

Text●ぴあ編集部

ああああああああ

――バンドにソロ活動、そして俳優業と、かなり忙しそうですね?

「月9(ドラマ「ブザー・ビート〜」)、バンドにソロでミュージシャン、Hanakoにファミ通※で連載ってね(笑)。1日何回も気持ちを切り替える感じで、昼はドラマの撮影をしたり、夜はスタジオに入って音源の制作したりっていう、このスタイルがすごく好きでスムーズだし楽しいですよ。もちろん、バンドマンとしてここまで育ててもらったし、いわゆるストリートっていわれる文化から育ってきて。そのころ、いろいろ出演させていただいた映像作品には失礼な姿勢で臨んでいたこともあると思うんです。だから今、リベンジも恩返しも含め、自分がやってきたものをこうやって形にして提示していくというか、無駄なことはないと思うんで、今さらですけど、そういう気持ちでやらせてもらっていますね」 (※雑誌「ファミ通」は、実弟のKenKenとともに金子ブラザーズとして連載を担当) 

――そんな多忙な中、ソロワーク・アルバム『オルカ』の制作にとりかかったきっかけは?

「もともと映画のサントラを頼まれたのがきっかけなんです。出演している俳優さんが昔から友達だったので」

――聴かせていただいて、RIZEやAA=での金子さんのイメージからは想像できないサウンドだったので、驚く人も多いんじゃないかと思いました。

「悪〜い男も演じてるしね(笑)。激しい曲、ツェッペリンみたいな曲を予想している人もいるかもしれないけど。アメリカのバンドよりヨーロッパのバンドの方が好きだったりするんです。ただ、アメリカのバンドが持っている瞬発力だったりバイタリティを混ぜたいなと思って」

――繊細さと力強さが出ていますよね。今回の作品は、金子さんがひとりで作られたんですか?

「Hamuroくんというディレクターとふたりで。彼は、鍵盤が弾けたりコンピューターにも詳しいので」

――ストリングスやハープまでアレンジされたサウンドは、美しくもどこかノスタルジックで懐かしい記憶を想起させるような感じもするし、エレクトロニカ的なアプローチとの融合で未来的なイメージもあるし。過去と現在と未来を繋ぐような音楽だと感じました。聴いたことのない不思議な感覚もありましたし。

「聴いたことがないもので時代感がないもの、いつの時代の作品かがわからないものっていうのはコンセプトにありますね。オルカってシャチのことですけど、ああいう大きな動物って、最初からニュートラルな生き方をしている、生命力っていうのかな。クジラとかもそうだけど俺すごく好きなんですよ。何でもわかっているような感じ、凄い透明感だし、力は強いんだけど社会性もあって。そういうものに、憧れもあるんですよ。謎の生命力を感じてもらえたのなら凄くうれしいですね」

――パブリック・イメージとしては、“金子ノブアキ=ドラマー”という印象が強いと思うのですが、ドラマーのソロワーク・アルバムという感覚で作られていないですよね?

「ドラムを入れるつもりが、なかったくらいなんですよ、本当は。ギターも好きで普段から弾いているし、楽器は好きでなんでも触れているんですけど、ドラマーとしてのキャリアが、この10年あまりにもたってしまっているんで。いろんなことをやりたいっていうエゴとそれを踏まえた曲作りをしていて。映画のサントラ始まりっていうのもデカかったですね。映画のサントラって聞いて、俺の中でドラムはまずなくていいだろうって思って。もちろんドラムは叩くけど、ドラマーだと自分で思ったことがなくて。俺が好きだなって思うドラマーっていうのは、音楽を見てる人ですね。歌のこととかを考えている人。ドラマーって意識は、本当にないんですよね。ドラムの楽器メーカーさんと打ち合わせしていても、引かれてしまうこともあるくらい(笑)。最近ドラムの音は、できるだけ引き算引き算って考えていて。“そんなこと言わないで叩いてくださいよー!”って言われるくらい(笑)」

――(笑)。ミュージシャン・金子ノブアキさんの今後のソロ作品にも期待しています。

「『オルカ』は、未来が見える作品になったらいいなと思って作っていました。ソロ・ワークは、自分にとってセラピー的な効果が大きいですね。いろんなものに跳ね返っていくし。流動的ではありますけど、これからも続けていくプロジェクトだし、すぐに次の作品にとりかかろうと思っています」

――ミュージシャン同様に、俳優としての金子さんも気になる存在です。映画『クローズZEROII』への出演が、俳優としてのターニングポイントになりましたよね?

「映画『クローズZEROII』は決定打ですね。自分は、他の演者さんと張り合おうとする時点で違うことだし、失礼がないようにということは凄い考えました。旬君(小栗)とかみんなは、ずっとそこで勝負している人たちだし、俺は招聘されているような立場だったから。こっちもニュートラルにいくしかね、全力でやるしかないって思って」

――映画『クローズZEROII』もドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」も、他の俳優さんとは違った空気を出していて、面白い存在だなと思いました。

「その場に呼んでもらったんだし、何を自分に求められているんだろうって? 作品の力になりたいと思うじゃないですか。そこまで頭がまわるようになりましたね。俺から他の俳優さんとは違うものが出ていて、それを面白がってもらえるんだったらうれしいですね。そういう意味でも自分の活性化を含めて、周りに影響が出てきたら楽しいなと思います。その分、音楽の現場でますます負けが許されなくなってきているんで、楽器は超練習してます。ミュージシャンとして今まで10年間ハードにやってきたっていう自負がありますし、そこが鈍らなければ切れ味が落ちなければっていうのはありますね。ミュージシャンとして、その筋力が衰えずファンタジスタであり続けるってことは大事ですからね。今は本当に満たされていますね。これを続けていけばいいって、迷いが全然ないっすね。前例がないとかタイプ的にいなかったとか、大好きなんです(笑)」

9月23日からはRIZEのツアーもスタート、また10月17日(土)から始まるドラマ「サムライ・ハイスクール」(日テレ系毎週土曜21:00〜21:54)に出演。そして、2010年1月16日(土)公開予定の映画『BANDAGE』にはドラマー役で登場する。
今後ますます注目したい金子ノブアキは、前例がいなかったタイプのミュージシャン/俳優として新たな扉を開き、私たちに見たことのない景色を見せてくれることだろう。

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PROFILE

金子ノブアキ
1981年、東京都生まれ。1997年、RIZE結成。2000年メジャー・デビュー。AA=への参加、ドラマー、ソロ・ミュージシャンとして活躍する傍ら、俳優として映画『クローズZERO II』やTVドラマへ出演。待機作に映画『BANDAGE』(2010年1月16日(土)公開予定)がある。この夏は、RIZE、AA=で多数のフェス、イベントに出演。9月からはRIZEの全国ツアーをスタートさせた。
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