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昨年、デビューを果たした大阪のパンキー・バンド(パンク+昭和ヤンキー〈ツッパリ〉)JAPAN-狂撃-SPECIAL。
彼らの記念すべき1stアルバムを聴けば、暗〜い世の中がなんだか明るく見えたりするんです。
Text●早川加奈子 Photo●橋本塁
なめんなよーかい「悲しいことばっかりの世の中やから、泣いとる人もいっぱいおると思う。だからといって暗くなるんじゃなく、みんなで笑いたい。もっとみんなで輪になって遊ぼうぜ、しょうもないことを笑い飛ばしていこうぜって」
不況に覆いつくされた世界は今、手の届かないカリスマ・スターではなく、こんな時代を生き抜くド根性を持ち備えたリアル・ヒーローを求めているのかもしれない。『ROOKIES』や『ごくせん』など、80年代を彷彿させる不良文化が再注目されているのもその予兆ではないだろうか。
なめんなよーかい「人を見下すのが当たり前と思ってる人もいると思う。俺、そういう人見ると腹立つよりも悲しいし、気づかせてあげたいと思う。誰でも結局同じ“人間”なんやでって。でも、誰かにどなられたり、仕事をクビになるより、ほんまに怖いのはそれに負ける自分の心。そこにびびんなよ、一緒になめられんようにやって行こうぜって、俺らの音楽を聴いてくれたりライブに来てくれる人に、俺は言いたい!」
そう宣言するのは、アナーキーやBOΦWY、「魁!! 男塾」や「キン肉マン」といった、自分たちの愛するアイテムを音楽とファッションに詰め込んだ4人組、JAPAN-狂撃-SPECIAL。記念すべきメジャー・デビュー・アルバム『This is なめんなよ』は、「俺たちをごみのように扱った/お前らを見返してやるのさ」(『KICK IT UP』)と歌い鳴らすド根性野郎たちが作り上げた、現代の格差社会に一石を投じる1枚だ。
キワメミチJUNZΦ「噛みついたりキレるんやなく、信念があるなら歯を食いしばって耐え忍ぶ精神というか。そっちで一目置いてもらえるようになるって気持ちが、〈なめんなよ〉かなって」
ラン坊「やることやって見返す方がカッコええからな」
昭和過激「理想論かもしれんけど、わかってくれる人が少しでも増えたら、ちょっとでも理想が現実に近づくんちゃうかな」
見た目はイカツイが心は真っ直ぐであったかい。ハードコアと'80s初期パンク、昭和カルチャー、何よりも“楽しい”を愛する関西出身の男たちが、時代が待ち望むリアル・ヒーローになる日はそう遠くない気がする。