破格のCDセールス記録、大規模なライブと数々の偉業を成し遂げたGLAYの15年間。
試練の時期もあったというこの15年間、決して失われることのなかったGLAYの想いとは?
Text●神谷弘一(blueprint)
今年でメジャー・デビュー15周年を迎えるGLAY。これまでにシングル41枚、オリジナル・アルバム9枚を生み出してきた、日本を代表するロック・バンドのひとつだ。同時期にデビューしたバンドの多くが姿を消す中、彼らは今なお、音楽シーンの最前線で精力的に活動している。その原動力とは一体何だろうか? 大半の楽曲で作詞作曲を手がけるリーダーのTAKUROは、この15年間で「自分が何を幸せとするのかがよく分かった」と振り返る。
TAKURO「僕は結局、音楽の発明家になりたいわけじゃないんです。それよりも大切なのは、メンバー4人全員がやりがいを持って続けられるバンドであること。どんなに良い楽曲ができたとしても、ひとりでも嫌々やっているメンバーがいたら、良いロック・ミュージックにはなり得ないから。TERUの横でギターを弾き、バンドとともに生きて行く――それが僕にとっての幸せの形なんです」
地元の北海道で結成されてから約20年。上京、デビュー、そしてミリオンセラーを連発するほどの大ブレイク……と、その道のりは一見順風満帆だったように見える。しかし、TAKURO自身は「ピンチの連続だった」と話す。特に、500万枚超の歴史的ヒット作『REVIEW 〜BEST OF GLAY〜』を出した'97年以降の数年間は、メンバーにとって精神的に厳しい時期だったという。
TAKURO「大人としてまだ自己形成ができていない20代中盤の時期に、僕らは“ありえない”状況下に置かれていましたからね。毎日、やるべきことがすごい勢いで押し寄せてきて、みんなバランスを崩していたし、4人の足並みもなかなか揃いませんでした。世の中的には一番成功している時期に、一番辛そうなヤツもいて……。後輩バンドが『よく聴いていました』と言ってくれる時期は、僕らにとって試練の時期だったんです」
破格のCDセールスを記録し、巨大な会場でのライブを次々と成功に導いた90年代後半の彼ら。TAKUROは当時のことを「バンドが想像以上に大きな船となり、多くの人が乗り込んできたようだった」と形容する。その渦中にあって、バンドは次の目標を見出そうともがいていたという。
TAKURO「あの頃、僕らは『この怒涛の日々が終わったら、10代の頃から温めてきた夢を実現するんだ。自分たちの音楽を追求するんだ』ということばかり話し合っていました。そうした中で強く感じたのは、GLAYの音楽は、あくまでもメンバーと、それに関わる人たちのドキュメンタリーだということ。自分たちが迷ったら、迷ったことを曲にすればいいんだ、と思えるようになったんです」
今回発売される15周年記念ベスト第一弾『THE GREAT VACATION VOL.1 〜SUPER BEST OF GLAY〜』には、「バンドが再び自分たちの音楽を取り戻した時期」にあたる、'00年以降の楽曲群が収められている。
TAKURO「GLAYにしかできない音楽というものが絶対にあって、それを守るためだったら何でもしようじゃないか。そんな覚悟が生まれた8年間でしたね。そもそもGLAYは、スタンダードなものを求めていくバンドなのだと思います。基本にあるのは、良い言葉とメロディ。それを磨いた後は、4人で音を合わせる喜びを感じながら、ありあまる情熱でバンド・サウンドを鳴らす――それがGLAYなんです」
デビュー時から紆余曲折を経て、名実ともにトップ・バンドとなった今も、4人の中で燃え続ける“情熱”。それは、バンド少年のような瑞々しさと同時に、百戦錬磨のミュージシャンらしいしたたかさをも感じさせる。今後、どれだけ時代が変化しようとも、そうした4人の想いが失われない限り、GLAYという物語は続いていくのだろう。
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