- ハイファイキャンプ
- 写真左より、TOSHIRO(DJ)、SOYA(vo)、KIM(vo)、AIBA(key)。2007年に仙台で結成し、2008年、映画『僕の彼女はサイボーグ』の挿入歌に起用されたシングル『キズナ』でデビューした。昨年はキマグレンとカップリング・ツアーを展開し、話題を集めた。現在も仙台を拠点とし活動中。
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ポカリスエットのCMソングで注目を浴びているHi-Fi CAMPにインタビュー! 現在も地元・仙台を拠点に活動を続けている彼らの結成当時の話からこれまでの活動について訊きました。
Text●神谷弘一(blueprint) Photo●源賀津己 Styling●寺久保要 ヘアメイク●川井恒徳(UPSA)
――@ぴあ初登場ということで、色んな視点からHi-Fi CAMPの魅力に迫っていきたいと思います。まず、ボーカルが二人にDJ&キーボードという編成が面白いですね。
KIM「僕とAIBAの“バンドをやっていた組”と、SOYAとTOSHIROの“クラブでHIPHOPをやっていた組”に分かれるんですよ。僕がクラブでバイトを始めて、そこによく出演していたのが、SOYAとTOSHIROのグループだったんです。ヒップホップが中心のクラブの中でも、POPな歌を歌っているところに惹かれて、“良いグループがいるぞ”とAIBAに話して。その時には、僕とAIBAのバンドも解散していたので、一から4人が集まって、そこでHi-Fi CAMPを結成したんです」
AIBA「僕もトラック制作はちょこちょこやっていて、KIMがバイトを始めたのと同時期に、クラブにも遊びに行くようになっていたんです。そんな中で、SOYAとTOSHIROの二人は目立つことをやっていたし、自分たちのフィールドとヒップホップの、どちらにも偏らないスタイルでもあったので、すごく良い形で融合できました」
――ヒップホップ出身のお二人にも聞きたいのですが、TOSHIROさんはもともとDJをやっていたんですよね。
TOSHIRO「そうですね。もともとは一人でやっていたんですけど、SOYAと意気投合して、一緒に活動するようになって。そこから何年か経って、KIMがクラブの店員になってから、彼がバンドをやっているということを知ったんですよね。その時に音源を聴かせてもらったら、僕らとすごく方向性が似ていて。“こういう音楽がやりたかった!”という思いがあったので、“先輩、一緒にやらないっすか?”と(笑)」
――SOYAさんとTOSHIROさんは、どんな風に出会ったんですか?
SOYA「僕が彼に、“僕がMCをやるので、DJをやってください”と頼み込んだんですよ。その後にKIMがクラブに来て、声を掛け合いながら仲良くなって、という感じです。急に電話番号を聞かれたときは、“まだ早いかな”って躊躇しましたけどね(笑)」
――みなさんは今も仙台を拠点にしていますが、やっぱり思い入れは強いですか?
TOSHIRO「そうですね。DJを始めたきっかけも仙台のクラブだったし、“みんなで楽しもう!”という雰囲気もありながら、一方で音楽に対してすごくシリアスな土地柄なんです。仙台は原点であり、鍛えられる場所でもあるんですよね」
AIBA「4人とも地元が大好きだし、住み慣れた環境で、気の知れた仲間と一緒に音楽活動をしていけたらな、という思いがあって。そういうことが念頭にあった上で、仙台の事務所に声をかけてもらえたので、“ぜひお願いします”ということで、今に至っています。それと、東京からデビューするグループは当たり前にいますけど、 この場所にいるからできることがあるってことに、こだわりたいという思いが強いんです」
――これまでの作品を聴かせてもらって、歌が核にあって、そこにサウンド的な広がりが生まれている、という感じがします。歌を大切にしよう、という思いはありますか?
KIM「そうですね。全員が、一番大事にしているところです。そこを軸にして、自分たちが伝えたい音を貪欲に追い求めて行きたいなと。歌詞とメロディというのは、すごく大切ですよね」
――新曲『一粒大の涙はきっと』はSOYAさんの作詞ですが、どんなきっかけで生まれた曲なんですか?
SOYA「まずはAIBAと二人で、メロディから作っていきました。ポカリスエットのCMソングのコンペがあるということで、“僕らもポカリスエットの曲を作ろう!”と(笑)。イメージは、青い空と白い雲が似合う、ど真ん中のポップスですね。歌詞は、若い子が頑張っている姿、中学校のグラウンドなんかをイメージして書きました」
AIBA「明るく広がるイメージのサビを意識しましたね。そして、ポカリスエットには、これまでに印象に残るCMがたくさんありますよね。だからHi-Fi CAMPとして何か新しいものを作れたらなって」
――ちなみに、普段の楽曲制作は、どんな風に行っているんですか?
SOYA「一人ひとりが曲を作れるので、みんなでプレゼン大会をやって、選ばれた曲に歌詞をつけていく、という感じですね」
TOSHIRO「自由度が高いグループなので、“誰が何を担当する”という流れ作業じゃなくて、一つの曲に対して、それぞれが“何ができるだろう”と考えるんです。楽曲制作のパターンは本当に沢山ありますね」
――結成から3年目で今後変わっていく部分があると思いますが、Hi-Fi CAMPとして進むべき方向性は見えてきましたか?
SOYA「やっぱり“ど真ん中のポップ”と“歌心のある言葉とサウンド”が僕らの核だと思うんです。これは、これからもずっと追求していきたいですね」