@ぴあTOP > インタビュー > 氷室京介×ジェラルド・ウェイ
日本、アメリカを代表するアーティストが、互いにリスペクトし合い奇跡のコラボレーションが実現。楽曲の作詞・作曲を手がけたジェラルドに話を訊いた。
Text●鈴木宏和
氷室京介とマイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイ。20年以上にわたり、ジャパニーズ・ロックのカリスマとして君臨している稀代のボーカリストと、本国はもちろん日本でも絶大な人気を誇っている、アメリカの新世代No.1ロック・バンドのボーカリストが共演を果たした。『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE』(ブルーレイディスク)のエンディング・テーマにも起用されている、この作品のタイトルは、『Safe And Sound』。テンションと熱度を徐々に上げてゆき、雄々しいサビ(パンキッシュかつキャッチーなコーラスに耳を奪われること確実!)で一気に激情を炸裂させ、静謐で安らかなエンディングを迎える、スリリングでドラマチック、そして美しいナンバーだ。
ジェラルド「この曲は、自分というもの、自分の表現、自分の信念を取り戻すことについて歌っている。それは自分自身のものであって、ほかの誰のものでもないっていうね」
国境も世代も超えた今回のコラボレートは、決してコマーシャルな目的のために実現したのではなく、半ば偶然の出来事。かねてから氷室が、マイケミの音楽とジェラルドの歌詞に共感していたことを、共通の知人から聞いたジェラルドが、実際に氷室に会いに行ったことがきっかけだった。
ジェラルド「会った瞬間からすぐに気が合って、僕は彼の音楽をちゃんと聴いたことはなかったから、曲をもらって聴いたら、本当に素晴らしくて衝撃を受けた。何よりもまず、彼がこれだけ長い間活動してきた後で、今でもこんなにハードなロックをやっているっていう、その事実に一番感動したんだ」
そう、ジェラルドが作詞と作曲も手がけた『Safe And Sound』は、彼が氷室のキャリアと、揺らぐことのないロック・スピリットにリスペクトを捧げた1曲なのだ。しかもジェラルドが、自身のバンド以外で楽曲を書き下ろしたのは今回が初めて。
ジェラルド「彼はいい時期も辛い時期も勝利も敗北も経験してきたはず。それがいったいどんな感じなのかを曲にまとめようとしたんだ。この曲は彼のために特別に書いたんだ」
氷室もジェラルドの描く世界観に改めて共鳴したという。トップを走る二人の心を互いに奮わせたこれこそ、コラボの真髄というものだろう。
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