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くりはらめぐみ
'84年、広島県生まれ。186cm、68kg。長身から繰り出すシャープなスパイクは迫力満点。三田尻女子高の1年時に、高校総体、国体、春の高校バレーで優勝し、全日本に選出。3年の「日米対抗」で全日本デビューを果たす。今季よりNECレッドロケッツに入団し、4月の「黒鷲旗」では若鷲賞を受賞した。 |
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第193回
栗原恵(バレーボール)
"バレー界の救世主""アテネへの新星"という多大な期待の数々に、栗原恵は戸惑いを隠せないでいる。11月1日(土)に開幕するワールドカップに向けて、全日本のエースとは思えないほど消極的な言葉ばかりが口をつく。
「期待されるのはうれしいんですけど、私にはまだまだ足りたいところがたくさんあるんです。もっとうまくなりたい。今はそれしか考えられないですね」
19歳のサイドアタッカーは、自他共に認める「あまり積極的ではない」性格である。高校時代も監督から「もっと自分を出せ」と怒鳴られたことも少なくなかった。あどけない表情は、一見儚げな印象を受けるが、栗原には鋼のような芯の強さも備わっている。より高いレベルでプレイするために、中学2年から親元を離れてバレーに打ち込んできた。
「そういえば中学からずっと寮暮らしですね。でも、小さい頃からバレー選手になりたかったから、つらくはなかったです。バレーがうまくなりたい、その思いだけでした」
高校バレー界の名門・三田尻女子高に進学し、1年生の時に高校総体、国体、春の高校バレーで優勝したように、身長186cmの栗原は高校レベルをはるかに超えていた。1年の時に全日本候補に初選出され、3年時に日米対抗で全日本デビューを果たした。「何で私が選ばれたのか全然わかりませんでした」と言うが、諸外国に高さで遅れをとっていた日本にとって、栗原の長身は大きな魅力である。長いリーチをムチのようにしならせて鋭いスパイクを放ち、2段トスも苦にせず相手コートに叩き込む。9月のアジア選手権では全試合にスタメン出場。準決勝では宿敵・韓国を相手に17得点を奪う活躍で日本を10年ぶりの決勝に導いた。
「高校までは、自分より背が高い人はほとんどいなかったので、コースをあまり考えることもなくただ打てば決まっていたんです。でも世界は違う。私より背が高い人なんてたくさんいるし、パワーやスピード、そしてレシーブの巧さなど想像していた以上に凄かった。だから最初はミスをしたらどうしようと、不安ばかりでした。でも監督からミスを恐れるなと言われてから気持ちが楽になって。今は失敗してもいいやくらいの気持ちで思い切りプレイできるようになったのが良かったんだと思います。それに、勝つ喜びをみんなと分かち合うのはすっごくうれしいですね」
1試合、いや1日ごとに進化する19歳だが、まだまだ理想にはほど遠いと言う。
「佐伯(美香)さんや大懸(郁久美)さんに憧れてました。背がそれほど高くないのにスパイクをしっかり決めるテクニックがあるし、レシーブにも安定感がありますよね。スパイク、ブロック、レシーブ、サーブ、すべてができる選手になりたい」
アテネ五輪出場を目指し発進した新生・全日本には、これまでにない追い風が吹いている。栗原や同じ19歳の大砲・大山加奈といった新星が現れ、ワールドリーグではイタリア、キューバを撃破、アジア選手権でも中国に続く2位になった。柳本晶一監督も「三流だったチームが二流になった。一流になるにはワールドカップで結果を残すしかない。メダル1本に絞って戦います」と断言するほど大きな手応えを感じている。
「監督が言うようにチャンスだと思っていますが、まだワールドカップの実感は全然ないんです。今は一日を消化するのに精一杯。本番までにやることはたくさんありますから・・・・・・。でもエースは、監督やチームみんなからの信頼がなくてはいけない。苦しい時、決めて欲しい時にトスがあがるポジションですから。自分に来たトスは全部決めるつもりで打ちたいと思います」
失敗を恐れない思い切りにエースの責任感も芽生えてきた栗原が無欲で臨む初の大舞台。これまでの日本に重くのしかかっていた決定力不足というフラストレーションを19歳のエースが吹き飛ばしてくれるに違いない。
取材・文:福井手結子(ぴあ)
撮影:河原大輔
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