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第44回
北卓也(バスケットボール)
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「NBAのドリームチームと対戦しての収穫? うーん。マッチアップでシュートまでいけたことですかね。ワンドリ(ブル)でジャンプシュートやフェイダウェイもできたし。フィニッシュがダメだったから満足はしてないけど、動き自体には合格点をつけていいと思います」シドニーで、圧倒的な強さを見せ、3大会連続で金メダルを獲得したバスケットボールのアメリカチーム。五輪直前の9月、マイケル・ジョーダンの後継者とされるビンス・カーターやジェイソン・キッドといったドリームチームと対戦した全日本の中で、チームトップの13得点をマークしたのが北卓也だ。 彼のプレイスタイルを表現する時に、必ず出てくる言葉がある。“和製マイケル・ジョーダン”。言わずと知れたバスケット界の神様だ。 「そう言われるのは嬉しいけど・・・。ダンクができればね(笑)。昔はよくやってたんですけど。ただ、あんなに飛べないから・・・。バスケットを知らない人が見たら誤解しますよ(笑)」 しかし、トム・ニューウェル全日本監督がアメリカ戦後に「キタがベストプレイヤーだ」とコメントしたように、3ポイント、カットイン、そしてフェイダウェイと次々に攻撃を仕掛けていく姿勢は、完敗した全日本の中で、ひと際強い光を放っていた。 昨シーズン、史上2チーム目のリーグ5連覇を狙ったいすゞを破り、チームを創設した'50年以来、初の栄冠を手にした東芝。強力なリーダーシップを発揮した北はMVPとベスト5に選ばれた。1試合の平均失点が60点台という強固なディフェンスを誇るチームの武器は、1対1に強く、どの位置からもゴールを決められる彼の攻撃力。いすゞの名将・小浜監督は敗戦後に「北にやられた」という言葉を残している。 「やっぱり、いすゞを倒して優勝したかった。そうじゃないと意味がないですから」 '97、'98シーズン。ファイナルへ進出した東芝だが、2回とも日本一目前で王者・いすゞに敗れた。 「去年はまわりから3度目の正直だって言われて、すごいプレッシャーの中で戦ってましたね。でも、メンバーも変わらなかったし、年々ステップアップしてましたから。ファイナル第3戦の、残り3分、5分、いや3分かな。点差もついてたし、もう大丈夫だと確信した時、自然と涙が溢れてきました。3年ですから。長かったですね」 10月20日(金)から始まる今シーズン、北は「あまりやりたくなかった」と言うキャプテンに、監督、コーチ、スタッフの全員に推されて選ばれた。 「今年のキャプテンは大変ですよー(笑)。今までは常に追う立場。打倒・いすゞという気持ちしかなかったのが、今度は全く逆。初めて追われる立場になったんで」 王座奪回を狙ういすゞをはじめ、全チームが打倒・東芝を合言葉に挑んでくる中で、連覇するために自分がキャプテンに選ばれたことを彼は十分理解している。ただ、その道のりは厳しい。国際大会のルール変更に伴い、20分ハーフ制から10分クォーター制に、そして、ショットクロックも30秒から24秒に短縮される新ルールも東芝の新たな敵となる。 「クォーター制になることでゲームの流れがつかみにくくなると思います。昨年のファイナル第2戦で、18点差を一気に逆転したような、劇的な展開は起こらないんじゃないかな。それに、オフェンス時間が短くなると、一度チャンスを逃したら建て直す時間がなくなってしまう。見てる人には、攻守の展開がスピーディで面白いけど、やる方は大変。頭ではわかっていても10数年やってきたルールだし、なかなか体がついていかないんですよ」 また、今シーズン前に、チームの得点源であり、その熱いファイティングスピリットでチームを支えてきたスティーブ・バードが移籍。北の肩にかかる期待はますます大きくなる。 「確かに、精神的な柱だったスティーブがいないのは痛いけど、ウチは5人の力で戦っていくチーム。さらにチームワークがよくなるようにまとめたい」と、新キャプテンにはリーダーの自覚が芽生えてきた。 苦労してつかんだ王者の称号をそう簡単に明け渡すわけにはいかない。21世紀は東芝の黄金時代を築けそうですか? の問いに「いや、まずは今年です」と答えた北。しかし、彼の目はしっかりとその先を見つめている。 |
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●きたたくや |
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