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●いわくまひさし
'81年、東京都生まれ。189cm、74kg。右投げ右打ち。背番号21。'99年夏の甲子園西東京大会でベスト4入りし、'00年、堀越高校よりドラフト5位で入団。9月1日現在、23試合に登板し、14勝7敗、防御率は3.03。勝ち星のうち、完投勝利はリーグトップの11を数える。6月の「オールスター」にも初出場を果たした。 |
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第185回
岩隈久志(プロ野球)
大阪近鉄バファローズと言えば、5点取られても6点取り返す豪快な野球が魅力。タフィ・ローズ、中村紀洋の2枚看板を擁し、“いてまえ打線”と呼ばれるコテコテの強力打線がウリである。そんなチームにおいて、粘り強いピッチングと甘いマスクという“近鉄らしくない”男が今季チームを支えている。22歳の若きエース・岩隈久志である。
彼の存在が球界で知られるようになったのは2年前のことだ。バファローズが熾烈な優勝争いを繰り広げていた'01年のペナントレース終盤、プロ入り2度目の先発を任された岩隈は、福岡ダイエーホークス戦で連敗を止めると、優勝を争っていた西武ライオンズ戦ではライバル打線を見事に完封。彗星のごとくあらわれた2年目の右腕が、バファローズを12年ぶりの優勝へ前進させた。
「あの年は、春に1度1軍で先発したんですけど、すぐにファームに落とされたんです。その時『もっと気迫のあるピッチングをしなきゃいけない』と言われて、次に上がった時は結果を考えずに思い切って投げようと思っていました。そしたら、ダイエー戦でいいピッチングができて、そのままリーグ優勝。自分の中でやれるぞという自信が生まれました」
昨シーズンこそケガで出遅れて8勝に止まったが、今シーズンは開幕から6連勝をあげ、4月の月間MVPに輝いた。前半戦だけで、自らが目標に掲げていたふたケタ勝利を達成すると、オールスターにも初出場を果たした。
「今年は良いスタートが切れたし、とにかく調子がいいという感じですね。それと、先発としての仕事を果たそうとしていう気持ちで投げているのが、結果につながっていると思います」
9月1日現在、14勝をマークしているが、そのうち完投勝利11回はリーグトップ。「将来は西武の西口(文也)のようなエースになれる」と梨田昌孝監督から期待をかけられ、ようやく実力を開花させた岩隈の投球は、独特のしなりがあると評される。派手な三振ショーはないが、手元で伸びるストレートに、抜群のキレを持つカーブ、スライダーでゴロの山を築く。「打たれても点を取られない、粘りのピッチングをしようと心がけています」との言葉通り、ランナーを出しても得点を与えないのが岩隈である。さらに、細い体つきには似合わぬスタミナも持ち合わせ、"ミスター完投"という名前も冠させられている。
「完投には特にこだわりはないですよ。今年は抑えがいないと言われていたので、とにかく自分のピッチングをしようと思っているだけですから」
ローテーションの役割を果たすどころか、投手陣の大黒柱として重責を担っているというのに、彼からチームを支えているという気負いは見られない。ふたケタ勝利というシーズン当初の目標が達成された今、岩隈の思いは完投でも20勝でもない。現在ホークスが一歩抜け出ているパ・リーグだが、岩隈の目には2年前に取り逃がした日本一しか見えていない。
「もちろん優勝したい。'01年はペナントレースの途中からしか働けていないし、日本シリーズのこともあまり覚えてないんです。だから、もう一度あのマウンドに立ちたい」
最後に、岩隈よりもひとつ年上となる“松坂世代”について聞いてみた。
「“松坂世代”が注目されてますけど、自分も彼らに負けないようなピッチングをしようと思いますね。『近鉄にも岩隈っていうピッチャーがいるんだぞ』っていうのをアピールしたい。松坂さんのように周りに認められる活躍をしたいですね」
初めて、甘いマスクの奥から強い闘志が見えた。まだ22歳。球界を代表する投手へ、闘志を内に秘めた若きエースはまだまだ成長する。
撮影:小木野洋也
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