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第27回
古木克明(プロ野球)
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メジャーリーグのフロリダ・マーリンズを連想させる鮮やかなブルーのユニフォームは、選手に最も「着たくない」と思われている。日本のプロ野球チームでは珍しいこの色使いはスタイリッシュで、カッコいい。しかし、選手にとっては゛実力不足゛を満天下に知らしめるものでしかないからだ。今年から横浜ベイスターズの2軍が゛湘南シーレックス゛に生まれ変わり、ユニフォームも一新された。そんなチームの変化と歩調をあわせ、見違えるような成績を残している男がいる。'99年のドラフト1位入団、プロ2年目の古木克明だ。 イースタンリーグで4割にせまる打率をマーク。昨年5本だけだったホームランを、6月時点ですでに3本も放っている。 「好調の要因? んー何でしょうね。練習の成果、ですかね。とにかくバットをたくさん振るように心掛けています」。そう言って、古木はマメだらけの手を見せた。 '99年のドラフト1位入団と言えば松坂大輔(西武ライオンズ)がいる。今では“平成の怪物”の実力を疑うものはどこにもいないが、この古木もまた甲子園では怪物ともてはやされたものだ。 「松坂はもちろん、一緒に甲子園で戦った仲間のことは意識しますね。ただ、松坂とは甲子園で対戦してないんですけど」 2年生の夏には1試合2ホームラン、高校通算で52本塁打を記録した男は、横浜のマシンガン打線の核になることが期待されている。だが1年目には、同期の松坂とはとても比べることができないほどの成績しか残せなかった。1軍で3試合に出場したものの、ノーヒット。2軍でも打率.266、5本塁打、17打点という散々な数字。大物ルーキーにとっては、苦い1年だった。 「ひとつも満足してません。バッティングも、守備も走塁も、高校とはレベルが全然違った。ただ、1軍の試合を経験できて良かったですね。お客さんの熱気、スタンドの空気なんか2軍とは比べられない。やっぱりプロなら、あんな雰囲気の中で野球をしないとダメですよね」 熱狂的な横浜スタジアムの観客の前で、ベイスターズのユニフォームを着てプレイすること。古木には明確な目標がある。 「シーレックスのユニフォームを着ている悔しさはありますね。ベイスターズのユニフォームを着るために、プロになったんですから」 4割を越える高打率を残している今季は、試合を決めるタイムリーが増えてきた。持ち前の長打力にさらに磨きをかければ、1軍が見えてくる。 「やはり、松井(秀喜・巨人)さんのように、たくさんホームランを打ちたい。お客さんに期待されるバッターになりたいんです」 自分でも驚くくらいに体は大きくなった。打率の上昇がバッティング技術の向上を証明している。 「シーレックスのユニフォームに未練はない」と言い切る古木。このユニフォームを着た彼の姿を見るチャンスはあとわずかしかない。 撮影:山本潮 |
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●ふるきかつあき |
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