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第74回
田原豊(サッカー)
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「骨のあるヤツ」というタイトルに、これほど当てはまるアスリートもいないだろう。横浜F・マリノスの田原豊である。プロ入り1年目のルーキーとは思えないほど、彼のコメントは大胆で歯切れがいい。5月18日に中断する前に行われたJリーグ1stステージにおいて、田原は全10試合のうち7試合に出場している。F・マリノスが下位に低迷しているため、チャンスが巡ってきているのは事実だが、高卒の新人では群を抜いている。 だが、彼はまったく満足していない。 「チャンスが早く来たとかは思わないです。ボクの考えでは開幕スタメンの予定でしたから。得点も1点しか取ってないですし。初ゴールはやっぱりうれしかったけど、最低でも得点王が目標ですから。今のチーム状況では難しいかもしれないけど、このままずっと悪いわけじゃないし、2ndステージになれば今よりずっと良くなる。そこで毎試合3点ぐらい取ればいいでしょう?」 6月17日(日)からアルゼンチンで開催されるワールドユース選手権では、U−20(20歳以下)日本代表の得点源として期待されている。20歳以下のワールドカップとも言える大舞台にも、まるで臆するところがない。世界を身近に感じている新世代のJリーガーならではだが、それにしても彼は、「緊張」とか「萎縮」という言葉とかけ離れている。余裕すら感じさせるほどだ。 「楽しみと言われればそうですけど、移動がだるいっすね。ヤバいっすよ。アルゼンチンまで30時間ぐらいですから。まあ、大会は楽しみにしてますよ。スタメンで出て点数を取って活躍して、世界にアピールできれば最高。そうなるように頑張ってきますよ。前回の日本は準優勝だったけど、別に気にしてません。ボクたちの目標は優勝だから。油断はできないけど、どことやりたいというのもない。優勝すればいいんですから」 2002年のワールドカップも視野に入れている。「日本代表入りを目指す」と公言してはばからない。 「間に合わせたいですね、2002年に。でも、ボクだけじゃなくてみんなそうじゃないですか。世界を見れば、高校生ぐらいの年代でもワールドカップに出るのが当たり前になってる。そういう考えを持ってないとおかしいですよ」 Jリーガーには海外サッカーのフリークが多い。とくに20歳前後の若手選手たちは、海外移籍を現実的に考えているだけに、ヨーロッパのリーグ戦をよくテレビで観ている。世界のトップクラスのプレイと自分を照らし合わせ、レベルアップへの材料にしているのだろう。 だが、田原はほとんど観ない。好きな海外のプレイヤーも「いない」と言う。 「高校時代までは、ほとんど観なかったですね。今もそんなに。テレビを観てると眠くなっちゃうから(笑)」 すべてがこんな調子なのである。 その一方で、発言には責任が伴うことを、彼は理解している。自分に足りないものを把握した上での発言だけに、「課題は?」という質問にもすぐに返事が返ってきた。 「チーム状態が良くないと、FWの責任だと言われるし、実際、そういうことですから。サイドからの攻撃が少ないというのはありますけど、それ以前に自分のポストプレイが正確じゃない。シュートも決めなきゃいけないし。これを決めておけばという場面が、出た試合では必ず1本はあるんです。自分が決めてれば、チームがいい流れになる場面があった。決定力は課題ですね。とにかくどんなにいい結果を出せたとしても、満足はしない。サッカーをやってる以上はずっと満足なんてできないですよ。納得はできる? それもないですよ(笑)。自分でここまでというものを作りたくないから」 21世紀の日本サッカー界を背負うべき大型ストライカーは、どこまでも上を目指している。そして、田原豊は単なるビッグマウスではない。 取材・文:戸塚啓 撮影:末石直義 |
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●たはらゆたか |
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