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第23回
望月重良(サッカー)
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決してスピードがあるわけではない。だが、高い技術を持ち、攻撃に゛タメ”を作る。また、豊富な運動量から、チャンスメイク、シャドーストライカー的役割、最終ラインでの献身的な守備までこなす。望月重良。名古屋グランパス、そして日本代表の中盤・右サイドの担い手だ。名門・清水商高、筑波大を経て、'96年にグランパス入りした。理由は「ピクシーがいたから」。 「高校3年の時にサッカー誌の取材があって、憧れの選手を聞かれたんです。で、『ストイコビッチ』と答えた。もう、'90年W杯からのファン。彼からは学ぶことが多い。ピクシーはひとりで攻撃の起点になって、チームのリズムを変えられる。相手チームから怖がられる選手ですよね。まあ、技術はもちろん、あの闘志を前面に出したメンタル面も勉強になる」 今季限りでの引退を表明しているチームメイトは、体力的な衰えは否めないが、'90年W杯・準々決勝であのマラドーナを凌駕した゛華麗なるプレイ゛はいまだ一線級。「Jリーグ史上ナンバーワン助っ人」の働きを見せてきた。ひとつ、面白いエピソードがある。Jリーグ固定背番号制を導入した'97年、望月は希望の番号をチームに告げた。「10番がいい」と。「憧れの」ストイコビッチが「背番号10」を希望するのは、わかっていたのに。 「まあ、希望だけは言おうと(笑)。でも、ピクシーも認めてくれているしね、『次の10番はシゲ、お前だ』って」 憧れがストイコビッチなら、尊敬する人物はジュビロ磐田の名波浩(ベネチア、藤田俊哉(ジュビロ磐田)だと言う。 「やっぱりナナとトシヤさんは外せないね、ボクのサッカー人生で。ナナは間違いなく日本で一番うまいプレイヤーだし、トシヤさんはフリーにすると、必ずやられてしまう怖い選手。ふたりの背中を見て、サッカーとは? って教わったし、彼らがいなかったら、今の自分はない」 清水商高、筑波大と望月と同じコースを2年先に進んだ藤田。また清水商の一年先輩の名波。そしてストイコビッチ。彼ら3人に共通することがある。そう、「背番号10」だ。藤田はジュビロ磐田で、名波は日本代表で10番を背負っている。 「やっぱり真ん中(司令塔、いわゆる10番のポジション)が好きだね。ただ、今チームでも、代表でも右サイドをやっているから。今のサッカーではサイド攻撃って重要。相手の攻撃もサイドから来るし、それをいち早く潰すポジションだし、こっちの攻撃もサイドを切り込んでいくから。チームのため、自分のために右サイドでの役割を果たしていかないと」 10番へのこだわりは忘れていないが、チーム事情、それに日本代表での゛刺激゛が右サイドへの愛着を育ませているのかもしれない。 「やっぱり代表ってすごいじゃないですか。国を背負って戦うのは非常に名誉なことだし、サッカー選手なら誰しも憧れるもの。代表の試合前日って、やっぱり興奮して寝つきは良くないしね。このあいだ(4月)の韓国戦、7万人のレッド・デビル(韓国代表サポーター)のブーイングなんて、もう鳥肌モノ」 名誉、プレッシャー、注目度、経験。日本代表での戦いでは、Jリーグでのリーグ戦とは比較できないほどの醍醐味がある。そして必ず゛右サイドアタッカー・望月重良゛に課題を与えてくれる。 「今まで代表でやってきて、世界に通用するものと、これから努力しなければいけないことがハッキリとわかった。相手の攻撃の芽を摘む、守備という点では渡り合えると自信がついたし、あとは攻撃が課題。今まではタイミングが合わないと、後ろにボールを戻したりしていたけど、一対一で勝負していかないと、サイドから切り崩せない。スピードはある方じゃないから、プレイに緩急をつけて、(相手に)速く見せる突破を身に付けないと、ピクシーみたいに」 6月は望月の課題の克服状況を見せる舞台が整っている。4日(日)にはW杯優勝国・フランス代表と対戦するハッサン2世国王杯がある。11日(日)からはボリビア、スロバキア両代表を迎えるキリンカップが開催される。そして24日(土)には2ndステージが開幕する。 「1stステージは(ケガ人が多く)ベストメンバーで戦えなかったからね。でも、2ndステージではウリダも帰ってくるし、平野ももう大丈夫。自分たちのサッカーを早く思い出してやれば、ね。うちは力がある選手がたくさんいるんだから、本来の姿さえ取り戻せば。まあ、代表に関しては『選ばれたら頑張ります』と。とにかく、選手は、ボクたちは(グラウンドの上で)やるだけですから」 撮影:新澤和久 |
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●もちづきしげよし |
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