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第71回
村浜武洋(プロレス)
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「正直、現在のような状況は1年前だったら想像すらできなかった。夢がどんどんかなうっていうかね。今が一番って言ってたらアカンと思うけど、とにかく練習も試合も何をやってても楽しいんですよ。いや〜、本当に格闘技をやってて良かったです」約40もの団体が乱立している日本のマット界で、唯一、大阪に拠点を置く大阪プロレス。社長のスペル・デルフィンを筆頭に、食いしん坊仮面、怪獣Zマンドラなど、様々なキャラクター・レスラーが集うこの団体は、こどもからお年寄りまで楽しめる闘いを実践している。会場が笑いの渦に包まれることも珍しくないリングに、バリバリ格闘技系のK−1やリングスに参戦して負け知らず、さらにはグレイシー一族相手に引き分けた経歴を持つ、超スゴな男が立つ。その男の名は村浜武洋。今や各団体から引っ張りだこの、立ち技系格闘技からプロレス、そして総合格闘技までもこなす、浪速が生んだ21世紀型のニュー・ヒーローである。 「はたから見たら『どれも中途半端にやりやがって!』って思うかもしれないけど、自分はどの闘いも好きなんです。観る方はもちろん、やってる自分らにしても、バーリ・トゥードとプロレスはそれぞれ違う面白さがある。現在はどっちも発展途上の段階だから、エラそうなことは言えないけど、いずれは両方で天下を取りたいですね。とりあえず欲しいのは、田中稔の持つIWGPジュニア・ヘビー級のベルトです('01年4月にタイトル挑戦するものの、王座奪取に失敗)」 まだプロレスに関しては1年足らず、バーリ・トゥードでも4ヵ月のキャリアしかない村浜だが、そんなただのルーキーに過ぎない男にもキッパリと言い切れることがひとつある。 「立ち技だったら、誰にも負けない自信があります」 小学校5年から柔道を始め、高校時代は柔道の練習後に、近所の空手道場にまで通っていた村浜。柔道で投げ技、空手で打撃を磨いた村浜は、シュートボクシング(投げ技アリのキックボクシング)の頂点を極めた。そして『K−1 JAPANフェザー級GP'97』で優勝を果たす。“立ち技最強のリング”Kー1で、中量級国内最強を見事証明してみせたのだ。無論、その実績と自信は、最大のモチベーションとなっている。村浜は言う。 「同じ階級の日本人相手なら、今でも立ち技系の選手と試合しても負けないですよ。だから、そんな自分がプロレスやバーリ・トゥードの闘いで、打撃で負ける訳にはいかないんです。自分の寝技は、強い人から見たら弱いけど、弱い人から見たら強い。でも打撃に関しては、弱い人からも強い人から見ても強いという自負はありますから」 世界を極めた者だけが、持ち得る自信。その自信がリング上で大爆発したのが、村浜大ブレイクの序章となった、今年1月のホイラー・グレイシー戦でのフルタイムドローだった。“圧倒的不利”の下馬評が飛び交う中、村浜は得意の打撃でホイラーを凌駕。途中、ホイラーのチョークスリーパーが決まりかける場面もあったが、「『ほら、見ろ』と言われるのが悔しいから、意地でもギブアップしたくなかった」という反骨の精神力で乗り切ってみせる。村浜の打撃をセコンドから目の当たりにした“世界最強の男”ヒクソンも、「スタンドでは村浜が上」と、その強さを認めざるを得なかったほどだ。 「立って闘ったら負けるわけないですよ。でも、あの試合はおいしかった(笑)。だって、誰もが自分が負けると思ってたでしょ。これで『大阪プロレス』を、そして村浜武洋の名を少しでも多くの人に知ってもらえたかなと。だって、グレイシーとやるのもえべっさんたちと試合するのも、しんどさは同じぐらい。自分が目指すのは、マンガ『1・2の三四郎』の世界ですから。楽しそうなことをやってても、実はメチャメチャ強い。そんなマンガの主人公のようなファイターになりたいですね」 ホームグラウンド・大阪プロレスのリングで、度肝を抜く空中殺法や観客の笑いを誘うコミカルな動きを見せる村浜は、ある時は新日本プロレスのリングでノータッチ・トペコンを決め、またある時はバーリ・トゥードのリングでグレイシーの顔面にパンチを見舞う。それでいて、K−1JAPANフェザー級チャンプの実績を持ち合わせる男、村浜武洋。“2足のわらじ”を履くレスラー、及び格闘家はいるが、“3足のわらじ”を履くというよりも履きこなせる男はそうはいない。「試合を組んでもらえるなら、どこのリングでもOKです」と大阪プロレスを拠点に、常にアウェイへと乗込む意思を示す、浪速の“ウイニング・ザ・レインボー”。そして最後に、大阪根性全開の“らしい”ひと言が付け加えられた。 「とは言っても、ちゃんとギャラは弾んでもらいますからね(笑)」 撮影:反田和宏 |
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●むらはまたけひろ |
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