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第093回 2002年以降のJを考える

 先週は失礼しました。「だから親指変換なんかやめろって言ってんだよ」とあちこちから散々言われるのですが、いまさら親指変換以外のパソコンで原稿を書けというのは、未知の外国語で言わんとするところを伝えろというのと同じこと。富士通が親指変換をなかったコトのようにしつつあるのは心配ですが、当分はこの故障だらけのパソコンと付き合っていくしかありません。あ〜あ。

 さて、仕事というよりは単にピクシーにサインをもらうために行ったような熊本でしたが、ひょんなことから今後のJリーグについての話になりました。
「これであなたが引退すると、Jリーグの大物外国人選手というのはほとんどいなくなってしまう。もはやJリーグはヨーロッパや南米の選手にとって魅力のない存在なんでしょうか」
「う〜ん、まず日本の場合、遠いというハンデがある。以前はそれを高額なギャラという魅力で補っていたんだけど、例のボスマン判決以降、ヨーロッパでも選手の年俸が高騰して、わざわざ日本にまで来る意味がなくなったという面はあるね。Jリーグのギャラは、もう少しも特別なものじゃなくなったんだ。Jリーグはすでに軌道に乗っているし、大物外国人が来なくなったからつぶれるなんてことはないと思うけど、今後、ワールドカップで活躍したような選手が来るケースは少なくなるんじゃないかな」

 とまあ、ピクシーは大物外国人選手が来る可能性が減ったことは認めつつも、Jリーグの未来については楽観的でしたが、僕には不安な部分もあります。というのは、2002年、多くの日本人は世界トップクラスの選手を目の当たりにするわけで、そうでなくてもワールドカップの後は宴の後の空虚な雰囲気が漂いそうだというのに、ワールドカップに出場した選手がほとんどいないJリーグでは、たとえ選手の技量に大した差はないとしても、お客さんを引きつける魅力に欠けるのではないかと思ってしまうのです。せっかくのワールドカップなのだから、なんとかして、その熱気をJリーグにつなげるようにしなければいけないのですが……。

 もちろん、無名の選手でもいいサッカーができる可能性はあります。ただ、プロ・スポーツである以上、ファンの良心に訴えかけるのと同時に、「ほうら、こんなにすごい選手がウチにはいますよ」的な、なんというか、客寄せパンダになるような存在も絶対に必要だと思うのです。個人的には非常に悔しいのですが、プロ野球の巨人なんかはそのあたりをよくわかってますし、ヨーロッパのジャイアント・クラブがやってるのは、まさに巨人的なやりかたなのです。地域に根付くのはもちろん大事。これは大前提。だけど、それだけで満足してたら、メジャーな存在にはなりきれない。そのあたりをこれからどうしていくか、これはサッカーに携わる者が等しく考えていかなければならないテーマだと思います。

 僕が以前から考えていたのは、ビスマルクのように一定期間以上をJでプレーした外国人選手は、外国人枠から外してもいいのではないかということ。ボスマン判決が下るまで、スペインあたりではこういうやり方をやってましたし、それによって獲得できる選手の幅も広がってくる。もちろん、これだけですべての問題が解決するわけではありませんが、いろんな人がいろんなアイデアを出していかないと、2003年以降のJリーグがすごくアブナイものになってしまいそうな気がするのです。

 
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金 子 達 仁 の 本
「世紀末才人列伝 21」 金子達仁 1600円 ぴあ

 1998年11月〜2000年7月の間、Weeklyぴあにて連載された人物ノンフィクション「金子達仁 世紀末才人列伝」が、「21」というタイトルのもと、遂に単行本となりました。
 連載全21回すべてを、金子達仁氏の回顧録も加えて完全掲載。本書は、21世紀もトップランナーとして走り続ける、松本幸四郎、小室哲哉、三谷幸喜、太田光、野田秀樹ら、21人のスーパースターたちの生き様を金子氏が追った人物ノンフィクションです。なぜ彼らは苦悩しつつも、明日への挑戦、夢を抱き続けることができるのか? 彼ら21人のスーパースターたちの栄光までの軌跡、彼らが現在抱える葛藤、そして未来への夢が金子達仁氏の鋭い視点で綴られた重厚な作品です。

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