@ぴあTOP > 特集 > 布袋寅泰 WE LOVE ROCK'N'ROLL
すべてのギタリストにとってジェフ・ベックのプレイは驚異であり憧れである。氷のナイフのような冷たく硬質な切れ味。コズミック・ブルースと呼びたくなる銀河のサスティーン。恍惚のビブラート、のけぞるアーム・プレイ。無駄な音は一音たりとも無く、聴く者を金縛りにする。昨年の来日公演をブライアン・セッツァーと肩を並べて観たのだが、二人で絶句した。ジェフのギターはマイルスとエルヴィスの魂を兼ね備え、すべてを超越しながら伝統的である。
すべてのギタリストに観てほしい。世界最高峰のマエストロの奏でる甘美なスリルと、狂気の音宇宙を味わってほしい。ギターという楽器が人類の生んだ最大の発明であることを確かめてほしい。
すべてのギタリストに観てほしい。世界最高峰のマエストロの奏でる甘美なスリルと、狂気の音宇宙を味わってほしい。ギターという楽器が人類の生んだ最大の発明であることを確かめてほしい。
Photos: Ross Halfin
Digital manipulation: Kazuyo Horie
Digital manipulation: Kazuyo Horie
『欲望』という名のアルバムがリアルタイムでのディランとの出会いだった。「コーヒーもう一杯」という曲が好きで何度も繰り返し聴いた。独特のしわがれた声はつぶやきでもあり、叫びでもあり、祈りでもあるように感じた。ロックの歴史を辿るうちに、彼が“神”と呼ばれた人であることを知る。幸運なことに1994年に奈良の東大寺で行われた“あをによし”というライブ・イベントに出演した際、ディランのリハーサルを誰もいない客席の一番前で観た。ステージ・クルーを含め、その場に居合わせたすべての人々が呼吸することも忘れたかのようにその一挙一動に釘付けになった。大仏様もしかり。その“神”がまたやってくる。われわれの目の前に。