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演劇・ミュージカル 東京ヴォードヴィルショー「竜馬の妻とその夫と愛人」
東京ヴォードヴィルショー「竜馬の妻とその夫と愛人」
 
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坂本竜馬といえば、日本の歴史を大きく変えた幕末のヒーロー。今なお人気が高い人物だ。しかし妻のおりょうは、かなり評判が悪いことをご存知だろうか?
そのおりょうが、竜馬の死後、どんな人生を歩いたのか──。大河ドラマ「新撰組!」を書く前の2000年、三谷幸喜が劇団東京ヴォードヴィルショーに書き下ろしたのがこの作品だ。登場人物は4人だけ。おりょう、その再婚相手、おりょうの愛人、そして竜馬の十三回忌がしたいとおりょうを訪ねて来た元・海援隊士。大き過ぎるヒーローの名前に翻弄される、もう若くなく、素直でもない大人達のやりとりを、三谷が爆笑の会話劇に仕立てた。佐藤B作をはじめ、ベテランの役者が息の合った演技で見せる、笑ったあと少し切ない上質コメディ。5年ぶりとなる今回の再演が、もしかしたら見納めかも?

≪この舞台のツボ [1] 喜劇の基本、東京ヴォードヴィルショー≫

“わかりやすい日本の喜劇”をモットーに、1973年、佐藤B作を中心に結成された劇団。ヴォードヴィルとは軽演劇のことで、年齢も性別も問わず、気軽に楽しめて元気になる舞台を追求し、今度の「竜馬の妻と〜」がなんと第60回公演になる。石井喧一、あめくみちこ、山口良一ら、舞台やTVでおなじみの役者も多数所属しているが、久本雅美や柴田理恵らもWAHAHA本舗を旗揚げする前はここに所属していた。最近は若手公演も行なわれているが、流行りに左右されることのない、演劇としての笑いを積極的に採り上げているのは本公演と共通しており、固定ファンも多い。こうした体質の劇団だからこそ、最初から三谷作品がぴったりフィットしたと言える。

≪この舞台のツボ [2] B作と幸喜≫

ヴォードヴィル座長佐藤の作家を見る目には定評があり、そのアンテナに引っかかってから売れっ子になった人は多い。三谷はその最たる例で、まだまだ知名度の低かった時代に佐藤が脚本を依頼、91年に原作ものの「にくいあんちくしょう」、92年に書き下ろし作品「その場しのぎの男たち」で、いずれも大評判をとった。その後の三谷のブレイクぶりはご存知の通り。すぐに、ひとつの劇団に三谷が新作を書き下ろすことなど奇跡のような状況になったものの、佐藤も負けじと「解散するから、そのための脚本を書いてくれないか」とウソまでつき(!)、96年、新作「アパッチ砦の攻防」をゲットした。「竜馬の妻と〜」は4作目で、2000年に初演された脚本を、今回、さらに三谷がブラッシュアップして再演を果たす。佐藤は「年齢的に、この舞台を自分がやるのは今回が最後」と言っており、悔いのない舞台を心に決めているという。

≪この舞台のツボ [3] 竜馬の妻のおりょうって?≫

竜馬は生前から日本中で「できる男」とその名を知られた人物だった。しかし妻のおりょうは逆に「ひどい妻」として名を馳せていた。「竜馬の権威をカサに着て、弟子達をアゴで使う」「わがままで威張り散らす」「ろくすぽ家事もしない」などなど……。だから竜馬の死後、おりょうに対して優しくする者はひとりもいなかった。それでも「あの坂本竜馬の妻だった女」というレッテルは彼女のその後の人生に付いて回り、おりょうを苦しめた。「竜馬の妻と〜」には、そのあたりのおりょうの複雑な心理と寂しい身の上が描かれている。歴史の変動を描くのではなく、歴史が変動したあとの人間のドラマを描く三谷の真骨頂だ。





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