@ぴあTOPへ戻る @電子チケットぴあTOPへ戻る
@ぴあ特集コラム

演劇・ミュージカル
獅童流「森の石松」
獅童流「森の石松」写真

「中村獅童」をMyアーティスト登録する
「橋本じゅん」をMyアーティスト登録する
「八十田勇一」をMyアーティスト登録する
「笹野高史」をMyアーティスト登録する
「西牟田恵」をMyアーティスト登録する
「高橋和也」をMyアーティスト登録する
「ベンガル」をMyアーティスト登録する


男前な時代劇ヒーローを演じさせたら今や右に出るものがいない中村獅童。2年ぶりとなる新橋演舞場公演でも『獅童流 森の石松』と題し、誰もが知る英雄譚を舞台上に熱く甦らせる。原作は、獅童の叔父である中村錦之助が主演した映画『森の石松鬼より恐い』(’60)。『森の石松』の舞台稽古に追われている演出家が、あっと気付くとなーんと江戸時代にタイムスリップして本物の石松に成り変わってしまっている…、という奇想天外なストーリーだ。「本当に石松になっちゃったみたい!」なんて、ちょっぴりあたふたするコミカルな獅童の演技も楽しめそうだ。


≪攻略ポイントその1 歴代の映画スターが挑んできた「石松」≫

幕末から明治にかけて活躍した清水次郎長の名物子分、森の石松。その男気溢れる破天荒な人生は、後の世で講談や浪曲に取り上げられ「江戸っ子だってね、寿司食いねぇ」などといった名セリフが生まれた。もちろん銀幕の世界においても、森の石松はヒーロー物の定番。きら星のごとき名スターがこの役に挑んできた。阪東妻三郎の『石松の最期』(’30)、片岡千恵蔵の『殴られ石松』(’51)、勝新太郎の『森の石松』(’57)、さらにこの舞台の原作となる『森の石松鬼より恐い』の2年前に同じく中村錦之助主演で撮られた『清水港の名物男 遠州森の石松』など。最近では92年に中村勘三郎(当時・勘九郎)がテレビドラマで演じた正直者で情にもろい石松が記憶に新しい。


≪攻略ポイントその2 演劇通にはたまらない豪華キャスト≫

今回の配役表を見て、オォとうなった人はなかなかの演劇通。中村獅童が「惚れ込んだ」というキャストは、かつての自由劇場のスターから劇団☆新感線の暴れん坊まで、まさに“演技巧者”という言葉がぴったりの役者たちがそろい踏みその面々をちょっとここで紹介しよう。『メタルマクベス』『噂の男』と話題作への出演が途切れない劇団☆新感線の橋本じゅんは、石松の相棒・三保の松五郎役。これは原作映画では登場しない役だが、獅童みずから「石松をやるなら相棒が欲しい」と思い、橋本に「直談判しにいった」とか。清水の次郎長を演じるのは、元自由劇場の名優・笹野高史。最近ではコクーン歌舞伎で淡路屋なる屋号まで持ち、『夏祭浪花鑑』のNY公演でも大絶賛を浴びたばかりだ。自由劇場つながりで言うと、『上海バンスキング』などの歴史的名演で名を残す女優・吉田日出子も出演。さらに劇団東京乾電池の名喜劇俳優ベンガルや、柄本明夫人でもあるベテラン女優・角替和枝なども名を連ね、獅童の石松を盛り上げる。


≪攻略ポイントその3 若い脚本家と演出家で挑戦に出る!≫

脚本を担当するサタケミキオはブレイク寸前と騒がれる劇団・東京セレソンDXの座付作家。ダメ人間たちのお馬鹿な日常を描き思いきり笑わせ最後にはホロッと泣かせる、というザ・王道なウェルメイド芝居を十八番とする。きたる11月にパルコ劇場で上演される3人の作家によるオムニバス公演『Love30〜男と女と物語』に新作を書き下ろすことも決まっている。演出の本木克英は松竹喜劇映画の次世代の担い手と言われる映像畑の才能。『釣りバカ日誌 イレブン』、『ドラッグストアガール』、テレビドラマ『丹下左膳』などの代表作があり、今回が初の舞台演出となる。獅童の意図としては「森の石松をリアルタイムで知らない人に脚本や演出を手掛けてもらうことで、今までにない新鮮なアイデアを取り入れる冒険にでたかった。」のだとか。その冒険が、実際の舞台にどう結実するのか注目したい。

文:岩城京子





前に戻る ページトップ

Copyright (C) 2007 PIA Corporation. All Rights Reserved.