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 RUPプロデュース『月影十番勝負第九番「猫と庄造と二人のおんな」』
RUPプロデュース『月影十番勝負第九番「猫と庄造と二人のおんな」』写真
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ぴあテンランキング上位常連劇団、劇団☆新感線の看板女優・高田聖子。新感線とは違う女優としての面を発掘したいと立ち上げたのが、この「月影十番勝負」。発足当初は、新感線の座付き作家・中島かずきとのふたりユニットだったが、次第に中島作品という枠も離れ、柔軟に「おもしろそうな人達とおもしろそうな作品を一緒につくる」というスタンスに。ほぼ1年に1作のペースで上演を続け、今度で9回目の「九番勝負」を迎える。劇団では心身ともに見事なハジケっぷりを見せる役が多いが、月影ではコンセプト通り“大人の女の本音”的な作品で、色気や負の感情を味わい深く紡ぎ出している。今年の「猫と庄造と二人のおんな」は、谷崎潤一郎の小説が原作で、まさに“大人の男女の本音と建前”が、淡いユーモアとともに堪能できそうな題材。先妻と今の妻の間で揺れる、優柔不断だが愛すべき男。その男を憎み切れず、女同士の闘志を燃やすふたりの女。スタッフ、キャストも実に大人の顔ぶれが揃った。「十番勝負」完成を前に、傑作が生まれそうな予感がする。

≪この舞台のツボ [1] 高田聖子の実家にびっくり!≫

80年に旗揚げされた新感線は、いまだに充実した役者陣が自慢だが、高田のように動けて演技ができて笑いの取れる女優がいるのは、他劇団にとって特にうらやましいこと。女優陣のなかでは最古参となったが、いまだに動きのキレも笑いのキレも衰えないのはさすがだ。しかし、どんなカブリ物も辞さない彼女、実は、あの法隆寺の長女。家が修学旅行コースに組み込まれているという、非常に珍しい環境で育ったのだ。学生の頃、門限が厳しい高田が持って歩いていたのは、お寺の門を開ける巨大な鍵だった、というエピソードも残っている。聖子と書いて「せいこ」ではなく「しょうこ」と読むのも、仏教では修行を終えた人を「せいじん」ではなく「しょうにん」と呼ぶように「しょう」という音を当てたという。ちなみに数年前に結婚した相手は、ワイルドなルックスの役者・高杉亘。
(最近では、昨年10月に上演された新感線「髑髏城の七人〜アオドクロ」で共演。)

≪この舞台のツボ [2] 全員オトナ、違いのわかる現場です。≫

高田以外の出演者は、利重剛、土屋久美子、中谷さとみ。中谷は新感線期待のニューヒロインで、高田とは当然、共演済み。優柔不断の夫を演じる利重剛は、映画監督・脚本家としても知られる役者で、先ごろ亡くなった巨匠・岡本喜八監督の「近頃なぜかチャールストン」に脚本、役者として参加したり、02年にTVで「私立探偵濱マイク」が放映された際に最終話を監督、現在、三井のリハウスのCMでお父さん役を演じている。土屋久美子はこれが初舞台になるものの、90年の青春映画の傑作「バタアシ金魚」を皮切りに、行定勲監督の「ひまわり」など、良質な映画に出演する女優。高見恭子やRICAKOを排出したティーンのファッション誌「MCシスター」で、80年代、モデルとして活躍、コケティッシュな魅力で人気を集めていた。また脚本を漫画家、作家、エッセイストにして女優の内田春菊が手がけるのも興味をそそる。愛人から妻になった女と、夫が溺愛する猫をダシに夫を取り戻そうとする女、そしてふたりの間をのらくらと行き来する男。そんな割り切れない夫婦関係を、男女の本音を鋭く描く作家であり、前回の「月影十番勝負」に出演した役者であるどう料理するのだろう。そしてこの面々を取り仕切る演出の木野花は、「月影十番勝負」を過去2回演出、また出演も果たしているので、このユニットの空気感は充分にわかっているはず。そして木野は、「スウィングガールズ」や「トニー滝谷」など注目の映画に出演する女優でもある。演じ手のツボをうまく刺激しながら、内田の脚本をユーモラスでズルく、スリリングでかわいい話にしてくれるだろう。



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