@ぴあTOPへ戻る @電子チケットぴあTOPへ戻る
@ぴあ特集コラム

演劇・ミュージカル
ブロードウェイ ミュージカル「モダン・ミリー」        (up 2007/2/27)
ブロードウェイ ミュージカル「モダン・ミリー」

「紫吹淳」をMyアーティスト登録する
「岡幸二郎」をMyアーティスト登録する
「樹里咲穂」をMyアーティスト登録する
「前田美波里」をMyアーティスト登録する
「ミュージカル」をMyアーティスト登録する


ジュリー・アンドリュースの主演映画『モダン・ミリー』('67年)を'02年に舞台化、トニー賞を受賞したおしゃれで底抜けに明るいミュージカルが、ついに日本バージョンで上演! 演出は同作の全米バージョンを手掛け、ジェローム・ロビンス(『ウエスト・サイド・ストーリー』の振付家)の愛弟子でもあるジョーイ・マクニーリー。主演は『ボーイ・フロム・オズ』のライザ・ミネリ役や『タイタニック』のケイト役で、日本人離れした女性像を演じ、独自の存在感を示した紫吹淳。ほかに川崎真世、岡幸ニ郎といった男性陣を相手に、今陽子や前田美波里、樹里咲穂と、迫力ある実力派女性陣がズラリと顔を揃えた。“モダン・ガール”ミリーの、恋と事件、夢と友情の行方は…? ブロードウェイ・ミュージカルならではの、ハートウォーミングな結末をお楽しみに!


≪the Point-1【ザッツ・ブロードウェイミュージカル】≫

あのジュリー・アンドリュースが、名作『サウンド・オブ・ミュージック』の2年後に主演した映画が、この『モダン・ミリー』('67年)。ここでいう「モダン」とは、1920年代に登場した女性像「モダン・ガール」の意。つまり二つの世界大戦に挟まれ、好景気から大量消費社会が現出したアメリカを舞台に、ジャズに酔いしれ、婦人参政権が叫ばれたあの狂乱の時代を背景に物語は展開する。主人公のミリーは、社長夫人になるという夢をかなえるべく田舎町からニューヨークにやってきたモダン・ガールの一人。理想の男性を振り向かせようと躍起になるうちに、滞在中のホテルで犯罪に巻き込まれてしまうのだが…。 とはいえ、そこは60年代のミュージカル映画をベースに、ブロードウェイで舞台化された('02年)経緯を持つ本作。ミリーの恋と事件、夢と友情とが絡み合いながら、あくまでコメディタッチをハズさないのが特色だ。ラストシーン、ミリーの活躍で大団円を迎える頃には、ハートウォーミングな後味が観る者の胸いっぱいに広がっているはずだ。


≪the Point-2【ウエスト・サイド・ストーリーの直系】≫

さて、舞台版をもう少し説明すると、'02年にブロードウェイで舞台化された『モダン・ミリー』は、見事トニー賞11部門にノミネート。最優秀作品賞、最優秀主演女優賞など6部門で受賞した。今回、その日本バージョンを担当するのが、振付師でもあるジョーイ・マクニーリーだ。映画『ウエスト・サイド・ストーリー』('61年)の振付で有名なジェローム・ロビンスの愛弟子として知られるマクニーリーは、多くの振付でトニー賞にノミネートされる一方、ロビンスの後継者として、『ウエスト・サイド・ストーリー』のミラノ・スカラ座バージョンや、今年の来日ツアーバージョンを担当。特に日本では『ボーイ・フロム・オズ』(坂本昌行主演、'05、'06年)や、『ビューティフルゲーム』(櫻井翔主演、'06年)にも全面的に参加しており、いずれも高い評価を獲得している。そしてこの『モダン・ミリー』でも、全米ツアーバージョンを手掛けているのがこのマクニーリー。つまり全米で上演されているのと同じクオリティのステージが、日本人キャストで実現するというわけ。これはもう、体験するしかない!


≪the Point-3【モダン・ガールと元タカラヅカ】≫

思い思いのファッションを身に付け、自分の人生を切りひらこうと街を闊歩していたモダン・ガール。画家マリー・ローランサンや作家フィッツジェラルドの妻ゼルダなど、小説や舞台になっている女性も少なくない中、本作では“自分で玉の輿婚を切りひらく”ミリーの奮闘が描かれる。結婚を最終ゴールに設定するのは、現在ではいささか古い気がするものの、そんなベタなドリームに説得力を持たせるのがミリーを演じる紫吹淳の存在。人目を引く容貌を持ち、冒険にも恋にもひるまず突撃してゆくテノールの女の子というキャラクターには、元タカラヅカのトップスターという紫吹の、突き抜けた明るさがぴたりとハマる。'04年に退団以来、『ボーイ・フロム・オズ』のライザ・ミネリ、『グランド・ホテル』('06年)のフレムシェン、『タイタニック』('07年)のケイトと、170センチの長身でのびのびと大役を務めきた紫吹の魅力は、退団後初の主演作となる今回も存分に味わえそう。その意味で、ミリーの友人ドロシー役に同じ宝塚歌劇団出身で元男役の樹里咲穂が決定したのは、絶妙なキャスティングといえる。日本女性の枠をふっとばす(?)勢いの二人が、最高のエンタメを提供してくれることを期待しよう。


文:佐藤さくら




前に戻る ページトップ

Copyright (C) 2007 PIA Corporation. All Rights Reserved.