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演劇・ミュージカル  ♪♪ダンダンブエノ「礎(いしずえ)」
「新編・我輩は猫である」写真
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役者の近藤芳正が中心のユニット、ダンダンブエノの第4回公演。公演をやる時期も、メンバーも、内容も不確定というスタンスだが、2001年からスタートしてコンスタントに活動を続け、回を追うごとに注目が集まっている。今回は、岸田戯曲賞受賞作家の倉持裕に脚本を依頼、初めてのシリアスな人間ドラマになるらしい。出演は、演出も兼ねる近藤、これまで毎回出演し、ほぼ正式メンバーのようになっている酒井敏也と山西惇、そしてオセロの松嶋尚美が初参加する。多忙を極める松嶋が、今、このメンバーと舞台に立つ理由は? そして、観客に周囲をかこまれる円形劇場で、この4人はどんな作品を見せてくれるのか? そもそも「礎(いしずえ)」というタイトルが示すものは? 倉持の脚本は一筋縄ではいかないはずで、男優3人と松嶋の関係も、単純な恋愛関係や三角関係ではなさそうだ。大人の役者のまじめな遊び時間を、のぞいてみたい。

≪この舞台のツボ [1] 近藤芳正の正体≫

中学生の頃から役者を目指して児童劇団に入るも、文学座の入団試験に落ち、青年座研究所を経て、三谷幸喜と知り合い、三谷が主宰する劇団東京サンシャインボーイズの常連となる。後期の作品にはほぼ毎回出演していたため、正式なメンバーかと思われがちだが、実際は客演だった。しかし三谷からの信頼は厚く、三谷の代表作のひとつであり、膨大なセリフ量を誇る舞台「笑の大学」に、さらに三谷の初監督映画「ラヂオの時間」に、ドラマでは大人気を博した「古畑任三郎」「王様のレストラン」にと、ポイントとなる作品には必ず指名されている。もちろん三谷以外からの作家、演出家からも、シリアスも笑いもイケる名バイプレーヤーとして高い支持を得ている。どこにでもいそうなソフトな見た目を武器に、外見そのままのマジメなサラリーマン、気弱な亭主から、外見とギャップのある狂気を内に秘めた役まで、さりげなくもしっかり演じてくれるので、舞台、映画、ドラマファンからの人気も高い。ダンダンブエノは、そんな近藤が、好きな人と好きな時に、やりたい芝居がやりたいと始めたユニットで、近藤は演出と制作も兼ねている。

≪この舞台のツボ [2] 過去のダンダンブエノ≫


ダンダンブエノは公演ごとにどんな芝居をやるか想像がつかない、毎回、趣向をガラッと変えるのが特徴で、つまりなんでもあり。具体的に書こう。第1回公演「持ち上げる人」はボディビルジムを舞台にしたコメディで、阿部寛が出演。第2回公演「いなくていい人」は、バンドのたまの演奏をバックに、イデビアンブルーの井手茂太振付のダンス、役者の演技をミックスした不思議な作品。第3回公演「バナナが好きな人」は、なんと中井貴一が出演した。「いなくていい人」も、いわく言いがたい、かつ楽しい舞台だったが、「バナナが好きな人」では怪優・温水洋一が中井貴一といしのようこ演じる夫妻の小学生の息子、酒井敏也と山西惇は犬という突飛な設定だった。「礎」はシリアスモードのようだが、重苦しい人間ドラマであるはずはない。ダンダンブエノ史にどんな足跡を残すのか、実に楽しみだ。

≪この舞台のツボ [3] 松嶋、大河から舞台へ!?≫

現在、レギュラーを多数抱え、超多忙なオセロの松嶋尚美。お笑い以外の舞台に立った経験もかつて1度あるそうだが、今回の注目度の高さはその比ではない。大河ドラマも経験し、バラエティでも絶好調な松嶋が、舞台でどんな表情を見せるのか。稽古では「難しい」を連発しているらしいが、本番の度胸の良さは想像がつく。ダンダンブエノにとっても初めての挑戦となるシリアスな人間ドラマの中で、新しい女優としての松嶋を開眼させてほしい。



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