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演劇・ミュージカル 『あずみ』〈〜AZUMI RETURNS〜〉
トリシャ・ブラウン・ダンス・カンパニー写真

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総売上げ1,000万部を超える小山ゆうの人気コミック『あずみ』の舞台が、『あずみ』〈〜AZUMI RETURNS〜〉と題して、4月1日(土)から再演される。時は戦国時代末期。武術の達人・小幡月斎は徳川家の命のもと、戦争孤児たちを刺客として育てる。10年後、成長した“うきは”、“ひゅうが”、そして、あずみら剣士達は、次の標的である加藤清正のもとに乗り込むが、そこで彼らが見たものとは…。初めは密命のために粛々と敵を斬り倒してゆくものの、次第に自分の存在の意味を問い始める少女、あずみ。演じるのは、昨年の公演時では弱冠16歳、明治座史上最年少座長として話題を集めた、黒木メイサ。舞台と並行して、ファッション誌『JJ』のモデルも務める彼女の舞台は、その若さと美貌、同時に骨太な存在感があいまって、新たな時代劇の地平を切り拓いた。その舞台が、再び開幕する!


≪the Point-1 【人気コミックの舞台化】≫

3月末に第38巻が発売予定で、今も「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載中の『あずみ』は、『お〜い!竜馬』など数々の名作を世に送り出してきた小山ゆうの原作。戦国時代から江戸時代に移る戦乱の世を舞台に、ひとりの少女が生きる意味を求めて苦悩する物語で、時代劇としての面白さはもちろん、人間の正と悪を巡る命題を描いて、第43回小学館漫画賞を受賞した。03年と05年には、上戸彩主演で映画化もされ、昨年は注目の集まる中での舞台化だったが、公演は原作の前半部分に重点をおいて構成。明治座という劇場が今まで培ってきた時代劇のノウハウを、物語と絶妙にリンクさせたことがヒットの原因となった。さらに出演者が、黒木メイサをはじめ、生田斗真、長谷川純など、原作と実年齢とがほぼ同じという、“時代劇”には珍しいフレッシュさ。コミック、映画とも違う、彼らの生の迫力が楽しめるのが、舞台版『あずみ』なのだ。

≪the Point-2 【史上最年少座長の再演】≫

初演時には16歳、今年の再演でもまだ17歳という黒木メイサは、沖縄アクターズスクールで歌とダンスを学び、ファッション誌『JJ』のモデルもこなす若手女優。抜群のプロポーションと華やかな美貌からは、「時代劇」、「殺陣」などという単語が思い浮かばないが、実は黒木の初舞台は、あの北区つかこうへい劇団の『熱海殺人事件 平壌から来た女刑事』(04)での主役デビューというから折り紙つき。ちなみに入団テストが三日三晩続き、舞台は全力疾走をしているに近いという同劇団の舞台を乗り越えてきた俳優には、阿部寛や小西真奈美らが。役者としての資質も太鼓判なのだ。黒木はその後、堂本光一主演の『Endless SHOCK』(05)でもヒロインを務め、その他映画、ドラマ、CMと活躍中。そんな彼女が美しい殺陣を決め、切ない物語を見せるからこその、新しい時代劇『あずみ』。今後さらなる飛躍が期待される彼女の、今しか観られない“17歳の舞台”は、伝説になること間違いなしなのだ。

≪the Point-3 【百花繚乱〜ネオ時代劇】≫

本作『あずみ』のほか、『滝沢演舞城』(滝沢秀明主演、新橋演舞場)、地球ゴージャス『HUMANITY THE MUSICAL〜モモタロウと愉快な仲間たち』(岸谷五朗、寺脇康文、唐沢寿明ら出演、新宿コマ劇場)、阿佐ヶ谷スパイダース『桜飛沫』(水野美紀、長塚圭史ら出演、世田谷パブリックシアター)など、時代劇が目立つこのごろ。ただ、ひと口に時代劇といっても、『あずみ』はコミック原作もの、『滝沢演舞城』は宙乗りや女形など劇場の特色を生かしたショー的な舞台、地球ゴージャスは現代のサラリーマンと桃太郎の物語が交差する物語、そしてアサスパは劇作家・長塚の自由な発想の受け皿としての時代劇、とそれぞれに趣向を凝らした多彩さが特徴。時代劇には定石の、いわゆる“お約束”を超えたパワフルさで物語が展開するのも、これら“ネオ時代劇”に共通している。発端は00年に劇団☆新感線が市川染五郎を主役にすえて大ヒットした『阿修羅城の瞳』(新橋演舞場)だが、人間の喜怒哀楽をシンプルに表せる時代劇の復権は、老若男女問わずに楽しめるエンタメが、いま求められている証拠でもあるだろう。

文:佐藤さくら


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