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演劇・ミュージカル
 AGAPE store「仮装敵国」
AGAPE store「仮装敵国」写真

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司会、ナレーターもすれば、エッセイも書き、独創的な折り紙を開発して本も出す。マルチタレントという言葉が真の意味でふさわしい、松尾貴史。彼が役者としての拠点にしているのが、演出家・G2と一緒に主宰するユニット、AGAPE store(アガペ・ストア)だ。と言っても、まじめに演技を追及するのではなく、大人の遊び場のような自由さで、気の合う仲間と“自分達がおもしろいと思うこと”を形にしている。これまでも、上方落語の超大作「地獄八景亡者戯」を舞台化したり、強力な脱力キャラ・結城がなぜかビジネスの成功を手に入れてしまう人気シリーズ「BIG BIZZ」「BIGGER BIZZ」など、笑いを軸にしてさまざまな作品を上演してきた。そして今度は、10作目を記念してのスペシャル公演。7人の人気作家が書き下ろすオムニバスを一挙に上演という贅沢な趣向だ。キャストも新鮮な顔ぶれが揃った。これまでとはまた違う“笑い”へのこだわり、アプローチをとくと見せてもらおう。

≪この舞台のツボ [1] 演劇的笑いのツボ、7人≫

この舞台の見どころは、まずなんといっても作家陣。人気、実力とも充分でイキのいい、豪華にしてバラエティに富んだ顔ぶれが、まるでショーケースのように揃った。それはまさに「いまの演劇界の笑いのツボ7つ」といえるもの。順に紹介すると、劇団ペンギンプルペイルパイルズの主宰であり、03年、演劇界の芥川賞である岸田戯曲賞の受賞作家である倉持裕。その受賞の知らせが届いた時、偶然にもAGAPE storeに書き下ろした「しかたがない穴」の稽古中だった。次のケラリーノ・サンドロヴィッチは、ご存知、人気劇団ナイロン100℃の主宰。今回の7人の中では最も長い活動歴の持ち主だ。そして後藤ひろひとは、4月のパルコ劇場で上演される「Shuffle」の作・演出として話題の人。AGAPE storeでは「BIZZ」シリーズの脚本、役者としてもおなじみでもある。故林広志は、「当時はポピュラー」「練りコント集 絹」などのお笑いイベントをプロデュースしたり、コント作家の育成にも力を注ぐ作家。AGAPE storeでは「地獄八景亡者戯」の台本を提供した。この故林とかつて一緒に活動していたのが、劇団MONOを主宰する土田英生だ。今年はじめ公開された映画「約三十の嘘」の原作者であり、小さな失敗を取り繕うとしようとする普通の人々のおかしさなど、鋭い人間考察による笑いが得意。紅一点の千葉雅子は、小劇場のベテラン劇団、猫のホテルの主宰。つましい人生を送る人々の意地や見栄など、バカ悲しい人間生態を笑いに変える。そして長塚圭史は、地方公演のチケットも大人気の阿佐ヶ谷スパイダース主宰で、7人中最も若い。が、栄えある朝日舞台芸術賞を昨年スピード受賞。パルコ劇場をはじめとするプロデュース公演も順調で、残酷なシーンの中に自然な笑いを生んでしまうセンスが光る。

≪この舞台のツボ [2] 新鮮かつ濃厚なキャストも、7人≫

7人の作家が書く7本のオムニバスを演じる役者も7人。松尾貴史は当然として、今回初参加となるのが、まずは辺見えみり。昨年、新橋演舞場の「丹下左膳」で、イキな愛情を左膳に注ぐ元・女スリのお藤を好演したのが記憶に新しい。そしてこれがAGAPE storeのみならず役者としての舞台初出演になる、落語家の春風亭昇太。そして、小劇場のサモ・アリナンズから「フットルース」「ピーターパン」などミュージカルまで活躍する実力派、久ヶ沢徹。また、ゴスペル歌手、DJパーソナリティなどの経歴を持ちながら、大阪の劇団リリパット・アーミーに出演して人気者になり、なんとこの春、帝国劇場の「レ・ミザラブル」でいきなりミュージカルデビューしてしまったコング桑田も期待の星だ。そして関西を中心に活躍してきた笑いの変化球、福田転球。最後に、AGAPE storeでは「BIZZ」シリーズで、困りながらの突っ込みが人気の八十田勇一。この掛け合わせがどんな笑いを生むか、予測は不能だ。

≪この舞台のツボ [3] 異才で偉才も、コラボる≫

さすが10回記念の豪華さか、いつになく、新鮮な才能との出会いを意識した感のある今回のAGAPE store。宣伝美術に、舞台「男子はだまってなさいよ」や単行本「新しい単位」等で注目される人気イラストレーター、五月女ケイ子を起用した。大げさなタッチで笑えるそのイラストは、要チェックだ。そして7本の短編をつなぐシーンに、イデビアン・クルーの代表で海外でも広く活躍する井出茂太が振付で参加するのも楽しみ。演出のG2とのコラボレーションで、ダンスと笑いを融合させるらしい。ちなみに、シーンとシーンのつなぎには松尾がイリュージョンを披露する予定もあるとか。



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