俳優・小林薫が、脚本家であり演出家でもある岩松了と組んで、たまに(だからタ・マニネ)行なうユニットが、4年ぶりに新作を上演。あまりにふざけたタイトルは意味がないかと思えば、さにあらず。ワニの密売の商談が行なわれるホテルを舞台に、ヤクザや小説家など、さまざまな人たちがいつの間にか不思議な事件に巻き込まれていく。小林のほか、大人計画の注目株・荒川良々や徳井優、片桐はいりなど、個性派俳優が、シュールにして深みのある話を見せてくれそうだ。
≪この舞台のツボ [1] 岩松了とは?≫
この公演のすぐあと、3月にシアターコクーンで上演される、蜷川幸雄演出、二宮和也(嵐)&小泉今日子の舞台「シブヤから遠く離れて」の脚本もこの人の手によるもの。なにげないせりふを積み重ねて、謎と緊張感をつくってその作風は唯一無二。「シブヤ」の前にこの作品を見て、岩松ワールドを予習しては? こちらには役者として出演も。
≪この舞台のツボ [2] 二世ふたり≫
この作品に出演する小沢征悦は、世界的指揮者・小沢征爾の息子。NHKの朝の連ドラにも出演していたので、その顔を知っている人も多いはず。また佐藤銀平は、佐藤B作の息子で、演劇集団円の若手である。
≪この舞台のツボ [3] ヒロインもふたり≫
出演者は全部で10人。そのうち8人が男性で、女優はふたり。緒川たまきと片桐はいりである。ルックス、演技、たたずまいなど、まったく違うふたりだが、ともに岩松作品には出演済み。緒川はホテルの経営者を、片桐は、そこにうろつく娼婦を演じる。それぞれ違うアプローチで、不思議な世界を華やかに彩ってくれるだろう。 |