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洋楽
プライマル・スクリーム                          (2006/7/7)
プライマル・スクリーム

作品を発表するたびに新たなアプローチを展開してきた、ブリティッシュ・ロックを代表する大物、プライマル・スクリーム。アメリカン・ロックのエッセンスを濃厚に注入した、ライブ感に満ちた最新アルバム『ライオット・シティ・ブルース』を発表したばかりの彼らだけに、今回の来日ではライブ・バンドとしての醍醐味を発揮してくれそう。

プライマル・スクリームは、常に自分達のイメージを更新し続けてきたグループだ。1987年のデビュー・アルバム『ソニック・フラワー・グルーヴ』は、12弦ギターを活用したフォーク・ロック。翌1988年のセカンド『プライマル・スクリーム』ではガレージ・ロック。そして1991年のサード『スクリーマデリカ』では、80年代後半のアシッド・ハウスの影響を反映したダンス・ミュージックにアプローチ。ここまではいかにも英国的な音作りを行っていたが、1994年の『ギヴ・アウト・バット・ドント・ギヴ・アップ』では、一気にアメリカ南部のサウンドに接近。さらに1997年の『ヴァニシング・ポイント』ではダブ。2000年の『エクスターミネイター』ではブレイク・ビーツなど、テクノロジーを駆使したサウンドを構築し、2002年の『イーヴル・ハート』は、その上でガレージ・ロック的な演奏を展開していた。

そしてそれから4年を経て到着したのが、最新アルバム『ライオット・シティ・ブルース』だ。ここで彼らはアメリカ南部的なアプローチを再び行いながらも、以前よりも時系列を遡ったロックの原点へのリスペクトを込めた作風を披露するのと同時に、生演奏の醍醐味を重視したレコーディング方法を選んでいる。

21世紀となった現在、ロックという言葉から広がるイメージは実に多種多様になっている。そうした中でプライマル・スクリームは、80年代以降のリアル・タイムな流れのみならず、過去のロック史の財産にも目を向け、その時々で新たな潮流を生み出してきたが、今はまず自分達のライブ・バンドとしての魅力をアピールしているのだ。今回のジャパン・ツアーでは、目新しいか懐かしいかといった軸にさえもとらわれず、ありとあらゆるスタイルが出尽くした後のリアリティを痛快に打ち出してくれるだろう。


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