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洋楽
ナイン・インチ・ネイルズ                        (2007/2/16)
ナイン・インチ・ネイルズ

テクノロジーを駆使したワイルドなサウンドのシンボル、ナイン・インチ・ネイルズの「SUMMER SONIC05」以来、約2年ぶりとなる来日公演が決定。最新アルバム『Year Zero』のリリースも迫っているだけに、21世紀のロックの牽引役として多大な注目を集めるトレント・レズナーが、現在目指すものを体感するまたとない機会になりそうだ。

トレント・レズナーのソロ・プロジェクトであるナイン・インチ・ネイルズは、現在のエレクトロニック・ミュージックの方向を指し示す最も重要なアーティストだ。シングル『ダウン・イン・イット』とアルバム『プリティ・ヘイト・マシーン』で1989年にデビューした時は、それほど大きな注目を集めたわけではなかった。だが'91年の第一回ロラパルーザにおけるアグレッシブなステージは、多くのオーディエンスを驚愕させ、ガンズ・アンド・ローゼズのサポートにも起用されている。

彼自身のレーベル、ナッシングからのリリースとなった'92年の『ブロークン』以降は、ヘビーなギターもフィーチャーして、インダストリアルな指向性を強め、特に'94年のセカンド『ザ・ダウンワード・スパイラル』は、デラックス・エディションとして彼自身がリミックスした作品を'04年に発表。5.1サラウンド音声の特性をフルに発揮した破壊的なサウンドで、シーンに強烈なインパクトを与えた画期的な作品となった。

とはいえナイン・インチ・ネイルズの音楽性は、決してインダストリアルなスタイルのみに終始するものではない。事実'05年の『ウィズ・ティース』は、音数を削ぎ落としたアプローチで、新たな指向性を探る問題作であった。こうした彼の振り幅が、現在どんな方向に向かうのかは、極めて気になるところ。そしてその手がかりとなるのが、間もなく発表される最新アルバム『Year Zero』だ。これまで彼のオリジナルのフル・アルバムは、'94年のセカンド『ザ・ダウンワード・スパイラル』、'99年の『ザ・フラジャイル』、'05年の『ウィズ・ティース』と、5年のインターバルは当たり前というマイ・ペースぶりだった。そうしたところから見ると、今回の公演は、異例の早さで完成した新作を携えているだけに、見逃せない内容になりそうだ。


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