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J-POP・ロック
Mr.Children                                  (2007/3/23)
Mr.Children

3月にニュー・アルバム『HOME』をリリースしたMr.Children。既に発表されているアリーナ・ツアーに加え、スタジアム・ツアーの情報も公開された。さらに5月にはアルバム未収録曲ばかりで構成した2枚組『B-SIDE』も発表するという、精力的なペースで活動する彼らならではの充実したステージに期待したい。

音楽がミュージシャンの実体よりも大きなイメージを描いてしまうことがある。それは創作する者にとっては幸せなことではあるが、同時に自分自身とのギャップに苛まれることも起きがちなことだ。Mr.Childrenにとって前作『I・YOU』は、中心メンバーである桜井和寿の環境問題をテーマにした“ap bank fes”やBank Bandでの経験を踏まえて、このバンドならでの役割を見据えようというテンションに満ちた作品だった。今回のアルバムも、それを引き継いだ大きなメッセージ性へと進むかどうかは、大きな岐路だったといえるだろう。

しかし彼らはあえてそうした道を選ばなかった。今回のアルバムの大半を占める楽曲は、ドラマチックなできごとからはほど遠い日常を描いたものばかり。サウンドはストリングスからホーンまで、多彩な楽器をフィーチャーしたバラエティ豊かな内容だが、エキセントリックな表現を避けた歌詞の語り口が、人懐っこいほどの親しみやすさを誘う仕上がりとなっている。

これにより桜井をはじめとするバンドのメンバーは、音楽の放つイメージと自分達自身の等身大の姿を、有機的に結びつけることになったのだ。小林武史プロデュースによるミニ・アルバム『EVERYTHING』でデビューしてからすでに15年。大ヒットの連発でそのキャリアを駆け抜けてきた彼らにとって、本作で示したような姿勢は、ある意味でバンドにとって無理な力みを必要としない、円熟した境地へと突入したことを示すものだと言えるだろう。

また彼らは5月にシングルのカップリング・ナンバーなど、アルバム未収録曲ばかりで構成した2枚組『B-SIDE』もリリースする。今回の全国ツアーは、それを経て繰り広げられるとあって、自然体の魅力に加えて、選曲の部分でも注目を集めることになりそうだ。


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