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ハワイのマウイ島に生まれ、ハワイ語や伝統的なチャント(詠唱)やフラなど、ハワイの文化を積極的に学んだところから音楽活動をはじめ、95年にデビュー。ハワイ音楽史の歴史を塗り替える成功を収めてきたケアリイ・レイシェル。4月には東京フィルハーモニー交響楽団との共演を披露してくれたばかりの彼が、真夏の日本にやってくる。
ケアリイ・レイシェルは、1995年のデビュー作『Kawaipunahele』で、ハワイのチャート・ナンバー1を獲得、彼の次の作品がリリースするまで首位をキープし、いきなりハワイの音楽史上過去最高のセールス記録を樹立している。さらに翌1996年のセカンド・アルバム『Lei Hali'a』は、アメリカ本土でも注目を集め、ビルボード・ワールド・チャートのトップ3にランク・イン。そうした勢いから1997年夏には、ニューヨークのカーネギー・ホールで40人の大編成グループを率いてのコンサートも行っており、まさにハワイのスーパースターというにふさわしい大物ミュージシャンとなっている。ハワイで行っているホノルル・シンフォニー・オーケストラを意識して、4月には東京フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーション・コンサートを開催するなど、日本でもたびたびコンサートを行ってきた。
そんな彼のキャリアのユニークなところは、音楽としてのみハワイ音楽に取り組むのではなく、ミュージシャンとしてデビューする前に、まずハワイ語や伝統的なチャント(詠唱)やフラなど、ハワイの文化を積極的に学び、博物館のディレクションやマウイ・コミニティー・カレッジで文化を伝承するための活動にもに意欲的に取り組んできた点だ。
こうした彼の音楽は、さまざまなスタイルのハワイアン・ミュージックの要素が混在しており、快く穏やかな響きを放ちながらも、音楽の歴史的なバックボーンを重視する姿勢も反映している。BEGINの「涙そうそう」のカバー「カ・ノホナ・ピリ・カイ」も、そんな立場から辛い歴史を持つ島である沖縄へのシンパシーがあって実現したもの。真夏に行われる今回の彼のステージは、そうした意味あいもあって、深みをもって響くに違いない。
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