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カサビアン                                (2006/9/29)
カサビアン

2ndアルバム『エンパイア』が、全英ナショナル・チャートで見事一位に輝いたカサビアンの来日が決定した。エレクトロニックなダンス・ミュージックとギター・サウンドの融合といった地平を越え、ブリティッシュ・ロックの歴史に新たな可能性を切り拓いていこうとする、野心的な意気込みに満ちたステージを披露してくれるはず。

カサビアンが2004年にリリースしたデビュー・アルバム『カサビアン』は、イギリスで70万枚の売り上げを記録し、彼らはブリティッシュ・ロックの有望な新鋭として注目されるようになった。ただし彼らはフランツ・フェルディナンド、レイザーライトなど、期待される新人が続々と登場してきた当時のシーンの中では、異色の存在だった。というのも学生時代からの仲間同士であった彼らは、人里離れた小屋で共同生活を営み、世間から積極的に距離を置くことで、メンバー同士の強い絆とバンドの個性を育んできたからである。

そうしたアティチュードで異彩を放ちつつ、ダンサブルなサウンド・アプローチから、ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームなどを引き合いに出されることが多かったというのが、デビュー直後のカサビアンの置かれた立場だった。しかし9月に到着した2ndアルバム『エンパイア』では、それから後の彼らの飛躍的な成長を感じとることができる。

テクノロジーのみならず、中近東風のストリングスやエキゾチックなコーラスなどもフィーチャーしたサウンドは、一過性のブームの中での位置づけを急いで求めるのではなく、イノベーションを繰り返したきたブリティッシュ・ロックの歴史の中でこそ意味あいが明確になるような、スケールの大きな音楽的野心の賜物だ。そうした意気込みの本作は、イギリスのナショナル・チャートで見事ナンバー1を獲得。もはや彼らは期待の新人ではなく、ブリティッシュ・ロックの可能性をどこまで広げてくれるのかという役割を進んで果たす最前線にいるのである。

この2年間でツアーを繰り返したカサビアンは、ライブ・バンドとしての経験も確実に積み重ねてきた。今回の来日では、その成果をしっかり確かめられるだろう。


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