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洋楽
ジョアン・ジルベルト                          (2006/7/21)
ジョアン・ジルベルト
photo by P-2 VIBRATION

“ボサ・ノヴァの法王”という異名を持つブラジル音楽界の伝説的な巨人が、今年も日本にやってくる。2003年9月に初の来日公演が実現した時の衝撃の凄さは、いまだに記憶に新しいが、12日のステージの模様を収録した『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』をCDでリリースするほど、日本贔屓になった彼のステージに期待したい。

アントニオ・カルロス・ジョビンと詩人のヴィニシウス・ジ・モラエスの共作による「シェガ・ジ・サウダージ」を1958年にレコーディングし、ボサ・ノヴァというスタイルを確立したブラジル音楽界の伝説的ミュージシャン、ジョアン・ジルベルト。ボーカリストとしての評価も高いが、それだけでなくニュアンスに富んだ彼のギターの奏法抜きにはボサ・ノヴァの歴史は、今あるものとは大きく変わっていたことは間違いのないところだ。

 そうした彼はかつては突出した才能に自ら振り回されるかのように、ライブをすっぽかしたかり、突然放送局に現れて歌ったりとエキセントリックな言動をとることが多かった。それだけに2003年に初来日公演が実現した時の衝撃は忘れがたい。しかもその時も公演の開始が一時間近くも遅れたり、演奏中に長時間の中断があったりしながらも、公演自体は大好評。ひとことで言うなら一挙手一投足から目を離すことができない天才的なミュージシャンなのである。

時と場合によっては公演を短時間で切り上げたり、開演寸前に帰ってしまったりというエピソードもあるだけに、日本の観客に対して彼がどのような印象を持つかも気がかりだったが、結果的には公演の模様を彼自身が非常に気に入り、翌2004年にライブ・アルバム『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』としてリリース。さらに再来日も実現したこともあって、すでに彼にとって日本は、特別な愛着のある場所となっている。

そして今年の秋にも彼の来日が決定した。たった独りのアコースティック・ギターの弾き語りだけで、大会場の客席を魅了してしまう奇跡のようなステージを体験するチャンスがまたしても巡ってきたのだ。ジャンルを越えて多くの音楽ファンの語り草となる公演となるに違いない。


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