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ジャミロクワイ
ジャミロクワイ 写真


6月に4年ぶりのニュー・アルバム『ダイナマイト』をリリースしたジャミロクワイが来日。唯一のオリジナル・メンバーだったキーボードのトビー・スミスに代わってマット・ジョンソン、ベースにポール・ターナーを迎えた新編成で、2001年の同時多発テロ以降の国際情勢へのメッセージ性を込めた楽曲を、快楽性に富んだ演奏で披露する。

ジェイ・ケイ率いるジャミロクワイは、92年にシングル「ホエン・ユー・ゴナ・ラーン」でデビューして以来、70年代のソウルやジャズ・ファンクをベースにしたホワイト・ソウル路線のサウンドを身上としてきた。しかし前作『ファンク・オデッセイ』から今年6月にリリースされた最新作『ダイナマイト』までの間には、4年ものインターバルがあいている。この4年間に起きたこと。それは2001年の同時多発テロとそれに対する報復を巡る国際情勢の悪化である。

振り返ってみればジャミロクワイは、デビューの頃からアメリカの主導によるグローバリズムに対する危機感を表明してきた。それが実際に多大な犠牲を生んでしまった現実に直面した時、ジェイ・ケイにはしばらく立ち止まって考える時間が必要だったのだ。そうしたいきさつもあって、『ダイナマイト』には現在の国際情勢に関するメッセージ性を込めた楽曲も収められている。

だがそれ以外にも今回のアルバムには、今までと異なる感触を放つ要因がある。そのひとつは唯一のオリジナル・メンバーだったキーボード奏者、トビー・スミスに代わってマット・ジョンソンとベーシストのポール・ターナーが加入したこと。そしてもうひとつはイタリアやコスタリカなどで曲作りを行い、レコーディングはこれまで使ってきたプライベート・スタジオではなく、LAやNYなどで行っており、レコーディング方法にもデジタル・テクノロジーを駆使している点だ。そうした結果として今回のアルバムは、ホワイト・ソウル路線を踏襲しつつも、より機能性の高い仕上がりとなっている。いわば新たなサイクルの始まりともいうべき意欲を発揮しているわけで、そうした姿勢をステージではどのような形で見せてくれるかが、今回の公演のポイントといって良いだろう。


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