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フー・ファイターズ                            (2006/10/6)
フー・ファイターズ

カート・コバーンの自殺、ニルヴァーナの解散というヘビーな過去を背負って、デイヴ・グロールが'95年にたった独りでスタートさせたフー・ファイターズ。それから10年の時を経て、彼らは二枚組の大作『イン・ユア・オナー』で、遂にバンドとしての理想的な境地に到達した。ロックの負債をプラスに塗り替えたバイタリティに触れよう。

'94年にカート・コバーンが自殺し、グランジ・ブームのシンボルであったニルヴァーナは解散。そのドラマーであったデイヴ・グロールが、たった独りで作り、'95年に発表した1stアルバム『フー・ファイターズ』からフー・ファイターズの歴史はスタートした。これによりデイヴは、ドラマーからフロントマンへとスタンスを改めたのである。

しかし初期のフー・ファイターズは、デイヴが望んでいたロック・バンドというよりは、彼のソロ・プロジェクトのような形で成り立っていた。作品を発表する度に確実に支持層は広がっていたが、メンバー・チェンジは相次ぎ、ギターにクリス・シフレット、ベースにネイト・メンデル、ドラムスのテイラー・ホーキンスという現在のラインナップが揃ったのは、'99年の3rdアルバム『ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ』に連動するツアーからのことだ。この顔ぶれで制作された最初のアルバムが、2002年の『ワン・バイ・ワン』となった。

そして現在の彼らの最新作にあたるのが、昨年リリースされ、全米チャート2位に輝いた『イン・ユア・オナー』である。本作に収められている『コールド・デイ・イン・ザ・サン』では、テイラー・ホーキンスがボーカルを担当するなど、バンドとしての結束の強さがナチュラルに現れている。しかもこの作品はハードなナンバーを凝縮したディスク1と、アコースティック・ナンバーで構成されたディスク2の二枚組で、彼らの作風の幅広さを力強くアピール。さらに元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズやノラ・ジョーンズなど、豪華なゲストとのセッションも含む充実した内容となっている。今回の来日公演は、こうしてロック・バンドとしての理想的な境地に到達した彼らの真価を存分に堪能させてくれるに違いない。


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