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洋楽
エリック・クラプトン                           (2006/8/25)
エリック・クラプトン

昨年のクリーム再結成も記憶に新しいエリック・クラプトンの来日が決定。ブルース、レゲエ、アンプラグドなど、ロック・シーンにさまざまなトレンドを巻き起こし、アクシデントを乗り越えてきた彼だが、60代となった現在は、さまざまなプレッシャーから解き放たれた自由な境地に突入している。その雄姿をこの機会に味わいたい。

ヤードバーズやブルースブレイカーズでの活躍をはじめとして、エリック・クラプトンは、60年代からのロック・ミュージックの歴史を体現する存在だ。ブルース・ロックの代表ギタリストとなった後、ハードなインプロビゼーションで60年代の末期にロックの可能性を切り拓いたクリーム。その後はブラインド・フェイス、デレク&ザ・ドミノスといったグループを結成して、ロック・クラシックスの名盤を次々と生んでいる。

彼は74年には当時まだあまり知られていなかったボブ・マーリィをカバーした「アイ・ショット・ザ・シェリフ」で、レゲエ・ミュージックへの注目を集めたり、90年代には『アンプラグド』の大ヒットで、ロック・シーンにアンプラグド・ブームを巻き起こしたりしてきた。

しかしそうしたブームを何回も経験しているにもかかわらず、彼自身はブルースマンに憧れ続けるなど、やまっけをほとんど感じさせないピュアなミュージシャンシップを貫いてきた人物である。ナイーブな精神性から恋愛、ドラッグ、アルコールなどで深刻なトラブルに陥ったこともあるが、そうしたトラブルがあっても友人から救いの手を差し伸べられたのは、彼の愛すべきキャラクターがあったからこそといえるだろう。

そんな彼にとっての最大の分岐点といえるのは、ハードにギターを弾きまくっていたクリームからレイド・バックしたアメリカのサザン・ロックへ転換した時期だろう。しかし昨年になってクリームも何と35年ぶりに再結成。60代に突入すると共に、彼の内面においても過去の振り幅のそれぞれの要素を、前向きに受け入れるようになったことが傍目にも明らかとなった。今回の来日公演では、自分のキャリアと資質を受け入れた者ならではの、包容力に満ちたステージを見せてくれるはずだ。


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