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J-POP・ロック
THE CORNELIUS GROUP                       (2007/11/16)

テクノロジーを駆使した先鋭的な音作りを身上とするコーネリアスこと小山田圭吾。今や音源のリリースもライブもワールド・ワイドなスケールで活動を展開している彼が、昨年10月にアルバム『SENSUOUS』を発表して以降、THE CORNELIUS GROUPで全国をツアーし、さらに来年1月にアメリカ・ツアーを行った後に、再び国内でステージを展開。

小山田圭吾が初めてメジャー・フィールドにミュージシャンとして世に登場したのは1998年、小沢健二と共に活動していたフリッパーズ・ギターの一員としてだった。それ以来、彼は一貫して音楽シーンの注目を浴びる先鋭的な存在であり続けている。しかしそれは作品の質感が一貫しているということを意味しているわけではない。

むしろ彼の場合は、音楽に取り組む発想自体も、キャリアを重ねるにしたがって、飛躍的な成長を遂げたことで、表面的には大胆なまでの変化を遂げているといっても過言ではないだろう。まず、フリッパーズ・ギターの頃は、グループという形態をとりつつ、ネオアコ、ギター・ポップ、さらに当時イギリスで盛り上がっていたレイヴ・カルチャーなどの影響も受けていた。しかし彼らが日本の音楽シーンに決定的な影響を与えたのは、なんといっても過剰な情報を編集するような音楽への取り組み方だった。それはアナログ盤からCDへとパッケージの主流のフォーマットが移り、リアル・タイムで生み出されたものと再発された過去の作品との距離感が、変わりゆく時代背景を伴った画期的な発想だった。

フリッパーズ・ギターを解散し、コーネリアスの活動に着手した時も、実態としてはソロであるにも関わらず、テクノロジーとの取り組みを重視して、いわゆるシンガー・ソングライター的な記名性から距離を取る姿勢は、極めて斬新なものだった。そして昨年の『SENSUOUS』は、緻密な作りではテクノロジーの恩恵を受けているものの、作曲面では積極的に理論武装を放棄したような無垢な親しみやすさが漂う仕上がりとなっている。そこまでの境地に突入し、海外でのツアーも日常的に行うようになった彼が、果たして次に打ち出すものは何か? そのヒントはこのステージにあるはずだ。


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