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J-POP・ロック
Cocco                                     (2007/8/3)
Cocco

今年でメジャー・デビュー10周年を迎え、ニュー・アルバム『きらきら』を発表したばかりのCoccoがツアーを行う。自分の痛みを吐き出すような初期の作風から一転して、ポジティブな輝きを放つようになった現在の彼女の新作は、沖縄の山の中にスタジオを設営し、生活感に満ちた仕上がり。そんな素敵なバイブレーションに触れてみよう。

Coccoは1997年3月にシングル『カウントダウン』でメジャー・デビュー。今年はそれから10周年という記念すべき年にあたる。ただし彼女の作風は、当時と現在でははっきりと異なっている。初期の彼女は、いわゆるオルタナ的なテンションに満ちたバンド・サウンドの中で、自分の心の中の傷口をさらすことを原動力とするような痛みに満ちたスタイルだった。それはいわゆるポップスとして幅広いリスナーにアピールするのではなく、彼女の精神的な起伏にシンクロするファンとの絆を糧に、Cocco自身のセラピーを公の場で行うことによって、共通体験として分かち合っていくようなものだった。

そうした創作方法の節目となったのは2001年。4枚目のアルバム『サングローズ』をリリースして、彼女はミュージシャン活動の休止期間に入った時だった。その後は「南の島の星の砂」「南の島の恋の歌」という絵本を発表したり、2003年に地元の沖縄で“ゴミゼロ大作戦”というキャンペーンを展開したりしている。そして2004年に、くるりの岸田繁とこっこちゃんとしげるくんという名義でリリースした限定シングル『SING A SONG〜NO MUSIC, NO LOVE LIFE〜』や、翌2005年にその岸田も含むSINGER SONGER名義での活動が、彼女自身の音楽活動再開の助走となった。2006年のシングル『音速パンチ』と5枚目のアルバム『ザンサイアン』で、正式にソロ・アーティストとしてシーンに復帰。今年7月に最新アルバム『きらきら』をリリースしたばかりだ。

彼女はこの最新作を、自分の日常生活に近い環境で制作するため、沖縄本島の北端にスタジオを作り、レコーディングに臨み、聴き手の心を解き解すようなポジティブな作風を披露。今回のツアーではそんな彼女の人としてアーティストとしての成長の成果を見せてくれるはずだ。


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