@ぴあTOPへ戻る @電子チケットぴあTOPへ戻る
@ぴあ特集コラム

洋楽
シャルル・アズナブール                         (2006/8/18)
シャルル・アズナブール

1940年代から活躍してきたシャンソンのビッグ・ネームが、16年ぶりに来日。現在82歳という高齢とあって、今回の“ありがとう、さよなら”公演が最後の来日になると言われており、20世紀半ばからの音楽史に大きな足跡を残してきた彼のステージを見る貴重な機会となりそう。年輪を加えるごとに深みを増してきた歌の凄みを体感しよう。

シャルル・アズナブールは、1924年にアルメニアの移民の子としてパリで生まれた。現在では“シャンソン界最後の巨人”“シャンソンの父”“シャンソンの神様”など、さまざまな異名を持ち、フランスを代表するベテラン、ビッグ・ネームとして広くその名を知られている。アニメ「機動戦士ガンダム」の登場人物、シャア・アズナブルの元ネタにもなったほどの存在感で君臨している彼は、幼い頃から歌や寸劇を披露して家計を支えていた。

初期には移民の子という出自がハンディキャップとなっていたが、1946年にシャンソン歌手エディット・ピアフに認められて前座を務めて以来、脚光を浴びるようになり、1957年には人気投票第1位に輝き、国民的歌手としての地位を確立。その後も両親の祖国であるアルメニアへの支援活動にも積極的に関わるなど、自分のルーツも大切にした人道的なキャラクターで知られている。

俳優としての活躍も幅広い。1956年の映画「カサブランカ」に出演して国際的な名声を獲得し、「ある愛の詩」「ブリキの太鼓」など、多くの作品に登場している。近年ではイギリス映画「ノッティングヒルの恋人」に彼の名曲として知られるバラード「She」のオリジナル・バージョンとエルヴィス・コステロによるカバー・バージョンが使用され、話題になったのも記憶に新しい。

作曲も作詞も行う彼がシャンソンの中で果たした役割は、ジャズ的なアプローチによる貢献もあげられるが、作詞面でもフランス語の特性を活かした冒険的な作品を次々と生み出しており、ボーカル・スタイルもパワフルに歌い上げるものから、芝居のセリフのようなスポークン・ワード風のものまで実に幅広い。今回はそんな彼の最後の来日公演と言われているだけに、シャンソンというワクを越えた幅広い層の注目を集めるステージとなるに違いない。


前に戻る ページトップ

Copyright (C) 2007 PIA Corporation. All Rights Reserved.