【J-POP・ロック】 (up 2005/01/21)
HUSKING BEE
 約10年間にわたって活動してきたHUSKING BEEが、解散を発表した。残念ながら今回の“LAST TOUR”が、文字通り彼らのステージを見ることができる最後の機会となる。90年代以降の日本のパンク・ロック〜メロコアの流れに大きな貢献を果たしたバンドだけに、そのダイナミックな魅力に満ちたステージを、是非とも見届けておきたい。

 1994年に結成されたHUSKING BEEは、メンバー・チェンジを経てから96年にHi-standardが主催するレーベル“PIZZA OF DEATH”より、横山健のプロデュースによる『GRIP』でアルバム・デビューを果たしている。90年代半ばはインディーズの在り方も含めて音楽シーンが大きく変貌してくるにつれ、パンクの世界でもアーティスト主導の動きが盛んになってきた時期だった。

  そんな中で98年にBACK DROP BOMBと共にマネージメント事務所、iniを設立したHUSKING BEEの動きは、90年代以降の日本のパンク・シーンに定着してきた“DO IT YOURSELF”の精神を、ビジネス的な側面において、したたかに実践する逞しさを持つ存在だったということができるだろう。盟友ともいうべきBACK DROP BOMBとの絆も太く、99年にはいっしょに海外でのライブ活動も行っている。

  HUSKING BEEが現在の編成となったのは、ギターに平林一哉が加入した2000年以降のことで、以降の活躍により、日本のメロコア系パンク・グループの代表的存在としての地位を確立することとなった。そして2004年にリリースした5枚目のアルバム『バリアンダンテ』は、ストリングスやキーボードなどをフィーチャーしたサウンド・プロダクションのみならず、初めて全曲が日本語詞だという点でも注目を集めた。英語詞のボーカルが非常に多いメロコアというジャンルの枠の中に収まるのを拒否するように、彼らはさらなる変化を求めて新たなチャレンジをスタートさせていたわけである。

  その結果訪れた解散という決断は、ファンにとっては悲しいものであるには違いない。しかしその締め括りとなる“LAST TOUR”では、最後まで前のめりに進んできた彼らにふさわしいステージを見せてくれるに違いない。
HUSKING BEE 写真


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