【J-POP・ロック】 (up 2005/01/07)
斉藤和義
 昨年は11月26日に“弾き語り十二月 in 武道館〜青春ブルース完結編〜”と銘打ったライブを、日本武道館という大舞台で行い、アルバム『青春ブルース』からの流れを完結させた後も、年末まで精力的なライブ活動を展開してくれた斉藤和義。そんな彼の新たなアクションとなる“青春38きっぷ”と名付けられた全国ツアーがスタート!

 自分の歌の世界を探求するシンガー・ソングライターとしての姿勢と、他のミュージシャンとのアンサンブルを追求するバンドマン的なプレイヤーシップ。そうした二つの要素は矛盾するものではない。むしろお互いに補い合う形で、アーティストとしての表現の幅を広げる要素となるケースが多いが、そんな中でも斉藤和義は、自分のイメージを限定することをあえて避けるような飄々としたやり方で、独りだけの多重録音からバンド的なアプローチにまでいたる様々なやり方を通じて、自分の作風をフレキシブルに築いてきたミュージシャンだ。

 元々は小学生の時に母親から買ってもらったアコースティック・ギターを手にしたことから音楽に目覚め、ギタリストとしてバンド活動を開始。大学に入って、自分で曲を書き歌うようになってからは、弾き語りスタイルのシンガー・ソングライターとしてライブを重ね、'93年に「僕の見たビートルズはTVの中」で、デビューしている。
  こうした彼の原点ともいうべき弾き語りは、その後のライブでも重要な要素となっていたが、一方でツアーのメンバーとして知り合った小田原豊と伊藤広規とSEVENというトリオ編成のバンドを結成し、'99年にはわざわざバンド名義でのアルバムもリリースし、バンドマンとしての資質もアピールしてくれた。

 そんな彼にとって、昨年11月の“青春ブルース完結編”は、本来アットホームな空間が似合う弾き語りを、日本武道館という大舞台で披露したという意味で、大きな通過点だったといえるだろう。その時々に応じた自分の好きなスタイルで音楽を奏でる彼の、今年のツアー・タイトルは“青春38きっぷ”。自分自身が移ろいゆくプロセスを楽しむかのような独特の姿勢を、今回はどんなステージングで見せてくれるのか楽しみなところだ。
斉藤和義 画像
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