【J-POP・ロック】 (up 2004/11/03)
東京事変
 椎名林檎をフロントに結成され、今年の夏からライブ活動を開始した新グループ、東京事変のツアーがいよいよ決定。以前からの念願だったバンドでの活動では、ソロ時代とは違って意図的にこだわることがない作品を作りたいと椎名がいっているように、より奔放に解放されたボーカリストとしての素顔を見せてくれることになりそうだ。

 椎名林檎は、1998年に「幸福論」でデビューして以来、3枚のオリジナル・アルバムをリリースし、ソロ・アーティストとしての確固たる実績を築いてきたミュージシャンだ。作詞作曲やボーカルにおける才能は、すでに誰しもが認めるところとなっている。しかし彼女は以前からソロではなく、バンドでの活動を理想としていた。

 彼女に限らず、バンドでの活動を理想とするロック・ミュージシャンは数多い。プロセスにおいてはいろいろあっても、最終的には音楽に対してのイニシャチブを独りで背負わなければならないソロ・アーティストと、メンバー同士のインスピレーションをフレキシブルにぶつけあう自由を前提にしたバンドでは、作品の質感が自ずと違ってくるものなのだ。そして今年の7月からライブ活動を開始したのが東京事変。プロデューサーとしての活躍でもお馴染みの亀田誠治がベースを務め、ギターの晝海幹音、キーボードのH是都M、ドラムスの刄田綴色、ボーカルはもちろん椎名林檎という五人編成の新バンドである。

 すでに東京事変は、9月にはファースト・シングル「群青日和」、10月に「遭難」という2枚のシングル、そして11月にはファースト・アルバム『教育』という順調なペースでリリース攻勢に入っているが、それに加えて年明けからいよいよ待望のツアーがスタートすることになった。バンドの活動では、ソロ時代とは違って意図的にこだわることがない作品を作りたいと言う椎名の言葉を裏付けるように、東京事変ではスタンダードのカバーや、メンバーの作曲した楽曲も取り上げるなど、彼女のスタンスは、ますます身軽で奔放になっている。今回のツアーでは、いちミュージシャンとして自然体でいられる環境を、自分の意志で手に入れた彼女が、輝きを増している様子を、まざまざと見せてくれることになるだろう。

東京事変 写真



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