【J-POP・ロック】   (up 2004/10/20
スキマスイッチ

 今年6月にリリースしたファースト・アルバム『夏雲ノイズ』を携えた初めてのツアー“夏雲ノタビ”を終えたばかりのスキマスイッチの年末公演が決定。ソフィスティケートされたアレンジのポップでゴージャスな音作りと、切ない描写の裏に苦みや毒気も盛り込んだ歌詞の語り口で、着々と注目を集めている勢いを堪能させてくれそうだ。

 スキマスイッチという名前からは、どこかユーモラスな雰囲気が漂う。しかしボーカル&ギター&ハーモニカの大橋卓弥と、ピアノを担当する常田真太郎からなるこの男性ソングライター・デュオの作風は、そうしたイメージとは裏腹に、ゴージャスに練り上げられたポップ・センスを軸とするものだ。

 1999年に結成され、2003年7月に、オーガスタレコードからシングル「view」でメジャー・デビュー。同年9月には6曲入りのミニ・アルバム『君の話』もリリースしているが、フル・アルバムとしては今年6月に発表した『夏雲ノイズ』が、今のところ唯一の作品なのだから、まだまだ新人と言って良いだろう。しかしそれにもかかわらず、彼らの作品はすでに職人気質すら感じさせるほどの完成度の高さを誇っている。

 普通ソロで活動しているシンガー・ソングライターの場合は、かなり才能があるアーティストでも、曲調が得意なスタイルに偏りがちなものだが、彼らの場合は、ギターとキーボードと担当楽器が異なることもあって、二人が互いに触発しあうことで曲調にバリエーションを出すことに成功している。さらにデュオという小回りのきく編成を活かして、ホーン、ストリングスなどもフレキシブルに駆使し、アレンジ面でも多くのアイデアを盛り込んで、ゴージャスかつソフィスティケートされたサウンドに仕上げているのだ。それに加えて単に口当たりが良いだけでなく、苦みの効いた歌詞の切り口も大きな魅力となっている。

 ライブについては、初めてのツアー“夏雲ノタビ”を終了したばかりだが、今回は確実に注目度をアップしている気運を受けて、早々とそれに続く年末公演が決定。この1年で大きな飛躍を見せた勢いを、思う存分発揮して年の瀬を締め括ってくれるに違いない。

スキマスイッチ 写真


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