【J-POP・ロック】   (up 2004/10/06
Theピーズ

 日本のロック・シーンの中で生活感にまみれた独自の歌詞の世界観を築いてきた孤高のグループ、Theピーズのツアーが決定。今年3月に最新アルバム『アンチグライダー』を、そして9月にはそれに連動したツアー・ファイナルの模様を収めたDVD「The ピーズ in HIBIYA」も発表と、活発な動きを見せた今年の締め括りに期待したい。

 現在の日本のロック・シーンの主流を占める大半のアーティストは、その作品の質感を、ワイルド、アッパー、ポジティブといったキーワードで括ることができる。そんな中でTheピーズは1989年にデビューした頃から、完全に異質なスタンスを打ち出してきた。

 そのポイントはなんと言ってもボーカル&ベース、そして作詞作曲を担当してきた中心人物のはること大木温之の歌詞にある。楽曲のスタイルは、ガレージ風のギターを軸にしたシンプルなロックンロールだが、倦怠感にまみれた日常を綴った歌詞の内容は、身も蓋もないほどのリアリティに満ちているのである。その切り口は、人によってはあえて見たくないものを突きつけられるような気にもなりかねないほど痛烈であるがゆえに、万人に受け入れられやすいとは言えないが、作品の中に決してキレイゴトを持ち込まない誠実さは、生活感のあるロックを愛するファンやミュージシャンから熱狂的な支持を受けてきた。

 そんな大木の名前が改めて注目されるきっかけとなったのは、大木がYO-KING、奥田民生、そしてthe pillowsの佐藤シンイチロウと共に結成したO.P.KINGだった。このスーパー・グループの活動は、日本語のロックのリアリティを追求するアーティスト同士の絆と、その魅力を改めて知らしめることとなったのである。

 その後、今年に入ってからのTheピーズは、3月に最新アルバム『アンチグライダー』、そして9月にはそれに連動して行われた全国ツアーのファイナル公演の模様を収めたライヴDVD「The ピーズ in HIBIYA」もリリースと、いつもの飄々としたイメージとはうって変わった活発な動きを見せている。そうした流れの中で行われる今回後半のツアーでは、確実に支持者を増やしてきた勢いが、どう反映されるか楽しみだ。

Theピーズ 写真

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