【洋楽】   (up 2004/9/01)
スリップノット
 現在のヘビー・ロックの重鎮として君臨するスリップノットが、リック・ルービンのプロデュースで完成させた最新アルバム『VOL.3・(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ)』を携え、ジャパン・ツアーを敢行。解散の危機を乗り越え、更にパワー・アップした彼らが繰り広げるダイナミックなパフォーマンスは、まさに衝撃的なものになるはず。

 ショッキングなマスクをまとった9名のメンバーによる、壮絶なライブ・パフォーマンスで知られるスリップノット。パンク、ヘビー・メタル、インダストリアルなどのエッセンスを融合したサウンドは、まさに21世紀のヘビー・ロックを牽引する力強さに満ちている。

 しかし彼らが、今年の5月に最新アルバム『VOL.3・(ザ・サブリミナル・ヴァーシズ)』を発表するまでの間には深刻な危機があった。前作『アイオワ』を完成させた2001年以降の彼らは、メンバー同士やマネージメントとの信頼関係などが揺らいでおり、ボーカルのコリィはストーン・サワー、ドラムスのジョーイはマーダードールズ、ターンテーブル奏者のシドもソロDJとして活躍するなど、バンド外での活動を活発に展開。一時はかなり深刻に解散が取り沙汰されるほどの事態を迎えていた。

 そんなグループにお互いの信頼を取り戻すきっかけを与えたのは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、スレイヤーなどを手掛けてきた大物プロデューサーのリック・ルービン。9人のメンバーはリックの所有する一軒家で合宿を行い、濃密なコミュニケーションを取ることにより、失われかけていた絆を修復し、リックのプロデュースのもとで、3年ぶりとなる新作を完成させたのである。

 この最新アルバムで、スリップノットは従来のアグレッシブなサウンドに、別働プロジェクトでの成果を取り入れたかのようなメロディアスな音作りなども披露。危機をバネとして音楽的な成長に転じることに成功した。

 そうした経緯を踏まえて実現したのが今回のジャパン・ツアー。マスクをまとったカルト的なイメージを持ちつつ、9人という大所帯のメンバーが一丸となって繰り広げるステージは、団結が深まったぶん、以前よりもさらに強力なエネルギーをたたきつけてくるはずだ。
スリップノット 写真


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