【洋楽】   (up 2004/8/18)
G・ラヴ
 ブルースとヒップホップをミックスした独自のサウンドで、90年代以降のスタンダードなスタイルを築き上げたG・ラヴの来日が決定。親友であるジャック・ジョンソンの主宰するブラッシュファイアへの移籍第一弾『ハッスル』を携え、プライベートな心境を吐露した楽曲の数々で、これまでになく親密なステージを披露してくれそうだ。

 様々なミクスチャー・サウンドが登場した90年代の音楽シーンの中で、G・ラヴ&スペシャル・ソースというトリオが果たした功績は、極めて大きい。ブルースとヒップホップをミックスした彼らの作風は、生演奏の醍醐味を重視したルーツ・ミュージックの発展形としての可能性を切り拓き、洋邦を問わず多大なアーティストに影響を与えた。いわば90年代以降の新しいスタンダードなスタイルを生み出したと言っても過言ではないだろう。

 そしてこの夏に届けられた最新アルバムが、G・ラヴの親友であり、今や世界的な人気アーティストとなったジャック・ジョンソンの主宰するブラッシュファイアへの移籍第一弾『ハッスル』だ。ただし今回の作品は、スペシャル・ソースのリズム・セクションであるジミー・プレスコットとジェフリー・クレメンツも全面的に参加しているものの、彼のソロ名義となっている。

 2001年に『イレクトリック・マイル』をリリースしてから後の彼は、長年所属していたソニーとの契約を終了した他、プライベートな部分でも大きな変化があった。初めての子供の誕生と、その子供の母親であるパートナーとの離別である。そうしたこともあってか、今回の『ハッスル』では、ジャック・ジョンソンをゲストに迎えてリラックスしたムードを醸し出している一方で、歌詞はプライベートな愛情問題を赤裸々に綴っているものが多く、まさにソロ名義で発表するにふさわしい内容といえる。

 つまり90年代以降のサウンドのスタイルをいちはやく提示してきた彼は、このニュー・アルバムでは、自分の内面を凝視したシンガー・ソングライター的な切り口を打ち出しているのだ。今回の来日コンサートでも彼自身のキャラクター性を打ち出した親密なパフォーマンスを展開してくれるに違いない。
G・ラヴ 写真


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