【洋楽】   (up 2004/7/2)
スーパーグラス
 デビュー10周年を記念するベスト・セレクション『スーパーグラス・イズ・テン を6月にリリースしたスーパーグラスの来日公演が決定した。ブリティッシュ・ロ クの伝統を受け継ぐ卓越したソングライティング・センスとダイナミックなギター サウンドで、激動するシーンを生き残ってきた実力を体感する絶好のチャンスの到来だ。

 スーパーグラスは1994年に「コウト・バイ・ファズ」でデビュー。翌95年にはイギリスの最優秀新人グループとして数々の賞を獲得し、人気グループとしての地位を確立している。今年はそんな彼らにとってデビュー10周年という記念すべき年であり、それにちなんだベスト・セレクション『スーパーグラス・イズ・テン』も6月にリリースされたばかりだ。

  振り返ってみれば彼らが登場した90年代半ばは、ブラーとオアシスという二巨頭に象徴されるブリット・ポップ・ブームの真っ直中。当時の状況を振り返った映画「リブフォーエバー」で描かれたように、その後のシーンの変遷は激しく、もはやそうしたブームは完全に過去のものとなってしまった。

  そんな中でスーパーグラスが人気グループとして生き残ってこれたのは、グラム・ロック、パンク・ロックなど、様々なムーブメントを巻き起こしてきたブリティッシュ・ ロックの歴史を、ある種俯瞰的ともいうべきスタンスで見据え、目先のブームに左右されない姿勢を保つことで、独自の立ち位置を見失わなかったからだといえるだろう。もちろんその最大のポイントとなっているのは、時代の流れを越えた魅力を放つポップな楽曲だ。

  彼らの編成は、ギター&ボーカルのギャズ・クームス、ベースのミック・クイン、ドラムスのダニー・ゴフィという結成時からの3人に加え、初期からツアーのサポート・メンバーとして関わった後、正式メンバーとなったギャズの実兄、ロブ・クームスがキーボードを担当。そのアンサンブルから生み出すサウンドは、しっかりとしたチームワークに支えられているだけあって、勢いだけでなくダイナミックな中に貫禄すら感じさせるもの。見事に熟したブリティッシュ・ロックの果実を、この公演で堪能したい。
スーパーグラス 写真



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