【洋楽】   (up 2004/6/4)
FUJI ROCK FESTIVAL'04
 日本のロック・フェスティバルの先駆的存在というべきビッグ・イベントが今年も苗場で行われる。自然に恵まれたロケーションの中で、ベテランから新人まで、バラエティに富んだ顔ぶれによる演奏にどっぷりと浸る三日間は、普段の生活で埋もれてしまいがちな感覚を研ぎすまし、新しい価値観を発見する掛け替えのない機会となるはず。

 1997年に初めて開催され、日本の大規模なロック・フェスティバルの可能性を切り拓いてきた“FUJI ROCK FESTIVAL”。今年もすでにすっかり定着した苗場スキー場で三日間にわたって開催されることになっているが、8年目を迎える今回は、例年と大きく違う点がひとつある。それはチケットの販売方法が、1日券、2日券の販売がなく、スタート時からの念願であった3日間の通し券のみとなっていることだ。

  元々“FUJI ROCK FESTIVAL”は、主催者のポリシーがはっきりとしたイベントだった。ロック・ファンだったら誰もが一度は見ておきたいと思うようなベテランのビッグネームがいる一方で、まだ日本ではあまり知名度のないお勧めのアーティストまで、非常にバラエティに富んだ顔ぶれが、場内の大小様々なステージで、同時多発的にパフォーマンスを行うというのは、他のイベントとは決定的に異なる贅沢なポイントである。そして観客はその中から自分の判断によって過ごし方を自由に選択できるシステムとなっているのだ。

  もちろんルー・リードや、公式のラスト・ライブを行うルースターズなど、大きな注目を集めそうなアーティストは洋邦を問わず続々と登場する。しかし単純にビッグネームのアーティストの演奏を楽しむだけでなく、自然環境に恵まれたロケーションの中に生まれた祝祭空間に身も心もどっぷりと浸すことで、通常のロック・コンサートでは味わうことの出来ない感覚を堪能するというのが、このフェスティバルの最大の醍醐味なのだ。そのカラーをさらに強めた今年は、音楽を愛する者同士が3日間にわたって時間と空間を共有しようという壮大な試みと言える。いわゆるエンタテイメントのイメージにさえも収まりきれないほどの濃密な物語が生まれることになるだろう。
FUJI ROCK FESTIVAL'04
東京事変
ルー・リード 忌野清志郎&NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS ホワイト・ストライプス


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