【J-POP・ロック】   (up 2003/12/19)
“じゃがたら祭り「クニマナシヱ」”
“SOUL OF どんと2004”

 死してなお日本のロック・シーンに大きな影響を与え続ける先人達。
そのスピリットを受け継ぐトリビュート・イベントをチェック!


 ロックの世界では時代を越えて確実にその影響が受け継がれていくアーティストが多数存在してきた。その中にはヒット・チャートを賑わせる商業的な成功を得ることはなくても、アーティストからアーティストへとバトンを渡すような形で語り継がれていくことも珍しくはない。日本の場合では、じゃがたらの江戸アケミとボ・ガンボスのどんとが、その好例といえるだろう。江戸アケミは1990年1月27日、どんとは偶然にもそれからちょうど10年後の2000年1月27日、どちらも30代の若さで亡くなっているが、彼らの存在感は時を経て衰えるどころか、ますます大きくなっているように感じられる。1月には彼らをしのぶイベントが行われるのもすでに恒例のこととなった。

 じゃがたらは江戸アケミが亡くなった後、ベースの渡辺正巳、サックスの篠田昌巳も亡くなっている。そうしたこともあってグループ自体へのトリビュート的なイベント“じゃがたら祭り「クニマナシヱ」”が、1月19日の新宿ロフト、27日の下北沢シェルター、30日のCLUB CITTA'の三ヶ所で開催される。それぞれ日ごとに出演者は異なるものの、いずれもじゃがたらのメンバーをはじめ、交流があったミュージシャン、彼らの影響を受けたミュージシャンなどが多数登場。そこにずらりと集うパンクからジャズにまでおよぶ顔ぶれの広さは、ジャンルを越えてスピリチュアルなパワーを発信していたグループの特別さを物語っていると言っていいだろう。

 そしてどんとの方は、1月25日にSHIBUYA-AXにて“SOUL OF どんと2004”というイベントが決定。こちらはハイロウズの甲本ヒロトと真島昌利をはじめハナレグミ(永積タカシ)、THE GROOVERSの藤井一彦、YUKI、Leyonaなど、多くのヴォーカリストが登場し、演奏はどんとと共にボ・ガンボスをやっていたKyon(Key.)、永井利充(B.)、岡地曙裕(Dr.)の三人が担当するという構成になっている。
 じゃがたらとどんとでは、作風の違いはもちろんあるものの、地に足のついた佇まいで日本のロックに貢献したという意味では、共通する部分も少なくない。いずれも過去から未来へとつながっていく日本のミュージシャンのスピリットを体感できる場となるはずだ。


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