@ぴあTOPへ戻る @電子チケットぴあTOPへ戻る
@ぴあ特集コラム

クラシック
 第42小節 ピアニスト:高橋多佳子
高橋多佳子写真
クラシック・器楽をMyアーティスト登録する
クラシック・室内楽をMyアーティスト登録する
クラシック・ピアニストをMyアーティスト登録する


未穂ちゃん、バトンありがとう。またいつかお互いに大好きなピアニスト、ソコロフについて熱く語ろうね。長崎でのデュオ・プリマの演奏、ステキでした。すっかりファンになってしまったよ(笑)。

さて、今回私はスポーツとピアノについて書きたいと思います。

ピアノの演奏とスポーツはとても似ています。日頃の練習で技を鍛え上げ、緊張している本番で実力を発揮しなければならない…。特にフィギュアスケートは技術で芸術を表現するという点で本当に良く似ていると思います。ちなみに今日(3/26)は世界フィギュアの女子フリーが行われています。精神を集中させ、意を決したようにリンクの中央に出て行く選手の姿を見ているだけで、もう感動で涙が出そう…。最初のジャンプを跳ぶ時の心境はどんな感じなのでしょう。頭の中で完全なイメージが出来ていて、絶対に跳べるという自信がないと、きっと怖くて跳べないのではないでしょうか。ピアノでも、難しいパッセージの前で一瞬でも不安がよぎろうものなら、たちまち体が硬くなってコントロールが難しくなります。本番で実力を発揮するためには弱気は禁物。自分自身をコントロールできる強い精神力が必要です。

そのためにはどうすればいいのか?一流のスポーツ選手達が本番に向けてどのように調整していくのか、とても興味があります。敬愛するイチロー選手や、トリノでの見事な演技で大きな感動を与えてくれた荒川選手は、淡々とストレッチをして体をほぐし、気負うことなく冷静に本番に臨んでいるように見えます。一方、オリンピックの陸上競技などで、自分自身に気合を入れまくって、高揚感を持って試合に臨んでいる選手も良く見かけます。自分の持っているエネルギーを最高に高める術を知っているのでしょうね。

で、私の場合は、温かい飲み物を飲んでリラックスを心がけ、ストレッチなどをして体をほぐし、楽屋の鏡に向かって「大丈夫、絶対弾けるよ!」と自分に笑顔で語りかけ、舞台袖で「よし!」と気合を一つ入れて、勇気を持ってステージに出て行きます。今はこんなやり方だけど、まだまだ試行錯誤の連続です。自分自身を完全にコントロール下に置き、やりたいことをきちんと表現できるようになりたい…。その答えを探す高橋の旅はまだまだ続くのでした…。

さて、このたびヴァイオリンの礒絵里子ちゃん、チェロの荒庸子ちゃんと“Tiara”というトリオを結成しました。7/13に浜離宮朝日ホールでデビューコンサートを行います。ということで、次のバトンは荒さんに渡します。庸子ちゃん、よろしくね!

≫次回は…チェリスト、荒庸子さんです。



ピアニスト  高橋多佳子 (たかはし たかこ) プロフィール
桐朋学園大学音楽学部卒業後、1991年国立ワルシャワ・ショパン音楽院大学院研究科を最優秀で修了。

これまでに加藤伸佳、J.エキエル、下田幸二の各氏に師事。またV.メルジャノフ、H.チェルニー=ステファンスカ等の名ピアニストからも薫陶を受けている。1990年、第12回ショパン国際ピアノコンクール第5位入賞、同年ラジヴィーウ国際ピアノコンクールで日本人初の第1位、1989年ポルト市国際ピアノコンクール第2位及び現代音楽最優秀演奏賞を受賞等、数々の国際コンクールに入賞。

日本とポーランドを拠点に演奏活動はほぼ全ヨーロッパに及び、世界の著名な国際音楽祭にも多数出演。オーケストラとの共演も国立ワルシャワ・フィルをはじめ各国にわたり、日本でも東京響、東京都響、東京フィル、日本フィル、新日本フィル、札幌響、京都市響等の主要オーケストラと多数共演している。

1996年、第22回日本ショパン協会賞受賞。ショパンの作品を時代ごとに取り上げたCD『ショパンの旅路』(全6タイトル)シリーズは、Vol.4〜6が『レコード芸術』誌の“特選盤”に選ばれるなど、連動したリサイタルシリーズとともに各方面から高い注目を集め、その企画性と高い芸術性は、朝日、読売両紙をはじめとする様々な媒体において高く評価されている。

現在は各国でのコンサート活動を活発に行う一方で、話題となった映画「戦場のピアニスト」の特別番組(TV朝日)への出演など、TV、ラジオ等でも活躍している。

▽公式ホームページはこちら

▽ブログ“高橋多佳子の「!」な毎日”はこちら

▽(所属事務所)オフィス・トゥー・ワンホームページはこちら



前に戻る ページトップ

Copyright (C) 2007 PIA Corporation. All Rights Reserved.