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 第38小節 チェンバリスト:曽根麻矢子
曽根麻矢子写真
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「ま、まさか・・・!」
自分の指から血が出てるなんて・・・痛いというよりも「指を怪我した」ということに心臓がドキドキ!  しかも今日はリサイタル4日前!!
「弾ける!?」頭の中はそれだけ。滴る血を見る勇気もなくて、しばらく指は口に入れっぱなし。
普段、料理や掃除ではかなり慎重な私なんですが、意外な落とし穴が・・怪我は、ツメの十分の一弱が割れてその中が切れた程度なんですが、何せ指に怪我なんて全くと言っていいくらい無いことなので、途方に暮れてしまいました。パートナーに「怪我が一日で治る飲み薬知ってたら買ってきて」と電話したら、「それ知ってたら僕は仕事変えると思う」って言うし。
とにかく練習は中止。気を持ち直すためにシャンパンをあけることに・・・翌朝、やっぱり左手人差し指は治っていなかった(そりゃそうだ)ので、右手だけの練習をすることにしました。
さて、特に複雑じゃないところを片手だけで弾くなんて、普段なかなかできないことをやってみると、おや?新しい発見があって楽しいではありませんか!  ん?私って楽天家?
翌日、ただ右手だけの練習に飽きたので、左手のパートを右手で弾いてみることにチャレンジ。あらあら、また新鮮で楽しいではないですか。
さらに、痛い人差し指の指先を使わないで、指の腹で音をだしてみると、案外いい音が出たりして・・・
「あー、たまには怪我してみるのも悪くないかな」ツメがはがれないように一本だけマニキュアを塗った人差し指をみつめる、とてもポジティブなチェンバリストの4日間でした。


≫次回は…フルーティスト、高木綾子さんです。


チェンバリスト 曽根麻矢子 (そね まやこ) プロフィール
桐朋学園大学附属高校ピアノ科卒業。ピアノを寺西昭子、チェンバロを鍋島元子の各氏に師事。
ブルージュ国際チェンバロ・コンクール入賞後、故スコット・ロスに師事。91年にはエラート・レーベル初の日本人アーティストとしてCDデビューを果たす。
92年以降、イスラエル室内オーケストラとの演奏旅行、フランスおよびイタリアのフェスティバル参加、現代舞踊家とのコラボレーションなど国際的に活躍。日本国内でもリサイタル、室内楽と積極的に活動し、常に注目を集めている。さらに、音楽活動とともにテレビ、ラジオへの出演、エッセイ「いきなりパリジェンヌ」(小学館刊)の刊行など多才ぶりを見せている。2003年より東京・浜離宮朝日ホールで全12回、6年にわたるJ.S.バッハ連続演奏会をスタートし、好評を博している。
録音活動も活発に行い、デビューCD「J.S.バッハ:イギリス組曲」リリース以後、最新盤「J.S.バッハ:フランス組曲(全曲)」まで11枚のCDをリリース。

1996年「第6回出光音楽賞」をチェンバロ奏者として初めて受賞。1997年飛騨古川音楽大賞奨励賞を受賞。

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