何といっても、尊敬するピアニスト小山実稚恵さんのバトンとあれば、たとえ私がコンピューター音痴でネットを使えない人間であっても、受けないわけにはいかないでしょう。それにしても今年の20周年記念、誠にお目出たい限りです。いよいよ熟年ピアニストとして、日本のピアノ界を引っ張ってくださることでしょう。
指揮者として早いもので、もう47才になってしまいました。それにしても、今まで一体何をやって来たのだろうと恥ずかしくなるばかりなのですが、今回は指揮者稼業とはちょっと異なる分野での、今、私がむしょうに楽しくやっている仕事を皆様に少しお話します。
実は、私は教員として後進を育てるというよりは一緒に勉強すべく、東京音大と芸大に足しげくかよっています。
自分が行なった遠回りを少しでも近道にしてあげたいという思いだけが、教員を始めた動機でしたが、はたして環境が良くなれば学生がどんどん優秀になるかどうかは、解りません。もしかしたら逆効果になるかもしれません……。ただ本質的なことを理解する力は私達の時代よりずっと進化していると思っています。これは実験かもしれません。
もう一つ、今年の4月から日本テレビのナビゲーターを河本アナと楽しくやらせていただいて居ます。因みにスタッフのすべてがALL女性で、真からクラシック音楽ファンを大事に考えて、少しでも多くの人達が番組を通して、コンサート会場に足を運んでくれる様にと常々願っている人達です。
私は彼らに敬愛と深い感謝の気持ちで、この仕事をお引き受けすることにしたのですが、何せ台詞が覚えられないので苦労しています。1分間をあれだけ長く感じた経験は、おそらくこれが初めてでしょう。
クラシックを好きになってくれる一般の方々が増えて、仲間達の演奏会に足を運んでくれることを切に願っているのです。
私の尊敬する指揮者、高関さんにバトンをどうぞよろしくお願いします。
▼広上さん出演のTV…日本テレビ「深夜の音楽会」
≫次回は…指揮者・高関健さんです。
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