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クラシック
 第21小節 ピアニスト:児玉麻里
児玉 真理写真
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桃ちゃん、バトンタッチありがとう。

私は近年ベートーヴェンのピアノ作品の演奏に集中的に取り組んでおり、主に協奏曲全曲を欧州、米州で演奏、そしてピアノソナタ全曲を東京浜離宮ホールと名古屋(スタジオルンデ)で行っています。
1999年にも、ロスアンジェルスでソナタ全曲演奏を行いましたが、ピアニストにとって、エベレストに上る位大変な計画でした。今回は山へ上る道を知ってはいるものの、毎回新しい発見があり、これから一生新鮮な付き合いを続けられるレパートリーを与えられた事を感謝しています。

ベートーヴェンと言いますと、ポートレートの真面目な顔つきなどから、とても厳格なイメージがありますが、実は彼が残した楽譜には、とても洗練されたジョークが沢山詰まっています。最近6歳になる娘が、始めてベートーヴェンの曲(ソナタ作品49の2)簡単なソナタと副題が着いた、実は、簡単ではない曲(!)を勉強し始めたとき、ベートーヴェンが作ったまったく人の意表つく転調を意識し分析しながら練習を進めました。
子供心にも面白かったらしく、時間があるごとに夢中になって、弾いていました。ある日の事、私が、ピアノ協奏曲1番のカデンツァを弾いていますと、”それベートーヴェンの曲でしょう!冗談ばかりだから”と、娘のコメントがありました。書かれた300年後、幼い子供にもはっきりと理解できる独自の言葉、楽しさを持っているベートーヴェンの偉大さに、あらためて驚きました。

これからは、ベートーヴェンと平行し、300年後にやはり独自の言葉により、人々に親しまれ、楽しまれる私たちの時代を代表する作曲も同時に取り入れた計画を色々と行いたいと思っています。
その一人に作曲家、又演奏家として、時代と国旗を超える芸術家野平一郎さんに、次回お願いしたいと思っています。


≫次回は…作曲家・ピアニストの野平一郎さんです。

■ピアニスト 児玉麻里(こだま まり) プロフィール
パリ国立高等音楽院および同音楽院マスター・クラス卒業。ピアノをジェルメーヌ・ムニエ、タチアナ・ニコラエワ、アルフレッド・ブレンデル、室内楽をジュヌヴィエーヌ・ジョア・デュティユに学ぶ。スイス青少年コンクール、ヴィオッティ・ヴァルセシア国際コンクール、セニガリア国際コンクール、ブゾーニ国際コンクール等で、優勝、上位入賞を果たす。同音楽院を終了後すぐに、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団との共演、ロンドンでのリサイタル・デビューなどで賞賛を受ける。
以来、ベルリン・フィルとの共演などをはじめ、欧州各国、ついで米国、更に近年は日本、シンガポールでもオーケストラとの共演、リサイタル、音楽祭への出演等々、精力的な演奏活動を展開しており、国際的な名声を確立している。1995年にはカーネギーホールでのニューヨーク・デビュー、1999年からはロサンゼルスにて「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会」を行うなど、着実に実績を積み重ねている。

近年は日本でも本格的な演奏活動を開始し、浜離宮朝日ホールでの「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲演奏会」など、今後の活躍が注目されている。
録音においては、ケント・ナガノ指揮フィルハーモニア管との共演で、「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番,第2番&ピアノ・ソナタ第7番」(ASV Ltd.)を、ペンタトーン・ミュージック/東京エムプラスより、「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集」や「レーヴェ:ピアノ協奏曲第2番&ショパン:ピアノ協奏曲第2番(ケント・ナガノ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団)」などがリリースされている。

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