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クラシック
 第17小節 作曲家/ピアニスト:三宅榛名
三宅榛名 写真
撮影:三浦興一
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数年前、とつぜん大学の教師になった。

  今は、教師の仕事が半分、作曲と演奏の仕事が半分の生活をしている。大学の仕事は結構忙しい。勤めてまだ西も東も分からない(文字通り、学内の道にも迷う)のに、気がついたら学科主任だった。急に使命感に目覚め、自分の理想の学科を思い描いたので、ますます忙しくなった。

  フェリス女学院大学音楽学部<音楽芸術学科>は、すごくユニークだ。まじめ一方のガリ勉から合コンの人気者まで、学生の人材にも事欠かない。

  ピアノも作曲も教えているが、何よりも教えたいのは、音楽そのものだ。輸入品のクラシックだけが音楽なのではなく、まさに現代そのものが音楽なのだ、ということをわからせるために日夜奮闘している。安月給で、そんなに働いて、おまえはバカか、とテイシュに言われる。

  たとえば、ライブハウスにしても、学生たちは「行ってみたいけど、ちょっとコワイ」状態だ。その臆病な女子学生たちを「この指とまれ」で連れて行くと、みんな、面白かったあ、と大満足(目の前に美女が並んで、サックスの兄さんも胸ドキドキ)。それやこれや、まじめな方では、即興演奏や現代音楽の秘訣を教え、3ヶ月、半年もたつと学生たちの表情がぐんとひらけ、見違えるようになる。教育の力は偉大だ! でも、スカウトに来ても私は移らないからね。  

 昨年の仕事: 作曲は、オルガンのための作品<記憶のオルガン>。演奏では、ジャズの高瀬アキと2台ピアノのデュオ・コンサート。<ノン・ジャズプレイヤーによるジャズバンド>公演(共演:大友良英)などなど。
 目下の仕事: 5月にニューヨークで演奏される作品<技術的時代>の手入れ。出版予定の<OFF JAZZ>、<記憶のオルガン>の手入れ。
 今年の仕事: 秋にベルリンとケルンで、ジャズピアニスト、高瀬アキとデュオ・コンサートの予定。

≫次回は…ピアニストの大井浩明さんです。

■作曲家/ピアニスト 三宅榛名(みやけ・はるな) プロフィール
ジュリアード音楽院作曲科卒。<弦楽オーケストラの詩曲>でベンジャミン作曲賞。リンカーンセンターの新ホールこけらおとしに作品委嘱されるなど、ニューヨークで作曲家のキャリアをはじめる。作品は、オーケストラからマイナーな楽器の編成におよび、現代音楽の枠を越える知的かつヴィヴィッドな作品で知られる。
ピアニストとしては、近年、特に即興演奏の分野でアクティブに活動し、ヨーロッパ、アジア、アメリカなどの多くの音楽祭に出演している。現在、フェリス女学院大学教授。
今年は、マザーアース出版(TEL/FAX: 03-3460-1888)から順次、作品が出版予定。

三宅榛名と高瀬アキ、2台ピアノのCDが、imazaki(TEL/FAX:0542-47-7425)から春にリリース。

フェリス女学院大学 音楽学部HP
⇒ http://www.ferrismusic.com/miyake.html



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